「鴻池朋子展 根源的暴力 vol2 @群馬県立近代美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


鴻池朋子展 表

             鴻池朋子展 ちらし表


「鴻池朋子展 根源的暴力 vol2」を

群馬県立近代美術館で観る。

2009年オペラシティーでの大規模展

「インタートラベラー 神と遊ぶ」から5年、

昨秋、横浜で催された展示が

群馬への巡回となった。うれしい。

3・11の後まったく描くことができずにいた

鴻池(秋田生まれ)が出会ったのが牛皮だという。


群馬の森、美術館は一階から二階にかけて

吹き抜けの大空間あって、展示会場へ入る前に

作品「12人のホイト」が迎える。

牛皮のマントには狼などが描かれ、すべて背をむけ、たたずむ。

鮮烈な紅の牛皮にとうとうとながれる水・瀧、

あるいは流血か。これは「皮絵 赤い水」。

着物仕立ての作品も。

皮を繋いだテント(小屋)には影絵が廻る。

そこを抜けた大空間に<皮緞帳>が架かる。

あまりの大きさ、

その存在の圧倒的なこと。

縦6メートル、横24メートル、

さらに加筆されている、とか。

皮を縫い合わせ、そのうえに天変地異、臓器、が描かれ、

動物達は眠り、植物は地中から、

あるいは天空へ、根をのばす。

根源的というか、始原の地はかのようであったか、と。

この大地の鼓動が、自身の脈拍が、

高潮のようにおしよせてくる。

圧巻。


鴻池朋子展 裏



8月28日(日)まで。



◆群馬県立近代美術館ホームページ
  http://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/index.htm