塚本邦雄肉筆本
りくはくきいうきよく
『六白嬉遊曲』
塚本邦雄に書き下ろされた琴組曲で、
1978年(昭和53年)NHK芸術祭参加作品。
本というより和綴じの冊子という体裁で、
綺羅の入った白地、おさえた朱赤からなり、
金糸で綴じられている。
限定322部上梓内22部を限定番号入りとし、
肉筆本22部の副本としてある。
あとがきによると
「十七世紀の琴組曲は一曲六首、一首四句、
四句の音数は六・四もしくは七・四の反復」
それを「古い形式を最も新しく蘇せる」として、
「一曲六首、すべて<白>を主題とし、
春一首、夏二首、秋一首、冬二首、
ことごとく<戀>の趣を濃厚に加味」し、
「句は全首<六・四 七・四 七・四 六・四>の構成」となっている。
しをれはてし白百合 實ることなき笹百合
あさけ
逢へば炎ゆる朝月に 發つはさすが男よ
百合 夏
すべて文語正字の表記。
印刷の本を一部もっていますが、瀟洒なつくり。
いまですと、岩手の日本詩歌文学館
「現代短歌の開拓者 塚本邦雄展」で
見られます。
http://ameblo.jp/bashouza/entry-12141659121.html