ポスター
『伽羅先代萩』
2015年9月の公演を録画で観る。
「御殿」、「竹の間」、そして「床下」。
玉三郎の乳人政岡と、
吉右衛門の仁木弾正が見もの。
義に生きる政岡と対する悪の仁木。
作者は奈河亀輔
玉三郎の正岡、品格といい、貫目といい、
ほれぼれするような政岡。
「飯焚き」の動作、ひとつ一つの動きの流麗なこと。
扇子で火をあおぐ、
屏風を立てまわし、しがみついて泣く、
などなどその心情が迫ってくる。
沖の井は菊之介、爽やかで華がある。
憎憎しい八汐は歌六。
鶴千代と千松の二人の子供が
じつにけなげで、台詞も立っている。
「床下」
松緑の男之助はその荒事が力強い。
吉右衛門の仁木弾正は、面あかりに照らされて、
その焔のゆらぎに、うっそりと浮かぶその顔は
悪の凄味に満ちて、
ひとことの台詞のないこの場で、圧倒的な存在感。
『伽羅先代萩』について詳しいことはこちらへ。
http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/686