玉三郎「伽羅先代萩」 @ETV「古典への招待」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



先代萩

            ポスター



『伽羅先代萩』

2015年9月の公演を録画で観る。

「御殿」、「竹の間」、そして「床下」。


玉三郎の乳人政岡と、

吉右衛門の仁木弾正が見もの。

義に生きる政岡と対する悪の仁木。

作者は奈河亀輔



玉三郎の正岡、品格といい、貫目といい、

ほれぼれするような政岡。

「飯焚き」の動作、ひとつ一つの動きの流麗なこと。

扇子で火をあおぐ、

屏風を立てまわし、しがみついて泣く、

などなどその心情が迫ってくる。


沖の井は菊之介、爽やかで華がある。


憎憎しい八汐は歌六。


鶴千代と千松の二人の子供が

じつにけなげで、台詞も立っている。

「床下」

松緑の男之助はその荒事が力強い。

吉右衛門の仁木弾正は、面あかりに照らされて、

その焔のゆらぎに、うっそりと浮かぶその顔は

悪の凄味に満ちて、

ひとことの台詞のないこの場で、圧倒的な存在感。



『伽羅先代萩』について詳しいことはこちらへ。
  http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/686


2015年9月歌舞伎