「十二月大歌舞伎」第三部 @歌舞伎座 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

十二月大歌舞伎 第三部を観る。

第三部は舞踊二本立て。

「二人椀久」と「京鹿子娘五人道成寺」。


「二人椀久(ににんわんきゅう)」は勘九郎と玉三郎。

巨木の松の背景がとてもすっきり。

勘九郎の椀久は松山に惚れこみ、

気真面目なだけに恋に狂う男の姿が哀しい。


なんといっても玉三郎の松山。

スポットに抜かれ、すーっとした立ち姿に気品ただよう。

高髷、白地に菱田模様、錦絵から抜け出たような、あでやか。

長唄は勝四郎、勝国。


「京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ)」

玉三郎を芯に勘九郎、七之助、梅枝、児太郎の若手四人の「道成寺」。

なんと花子が五人!

もうもう絢爛たる煌びやかさ。

五人の踊り、姿の美しさの競演・饗宴で、贅沢にして豪奢。

眼福とはこのこと。

玉三郎、さすがの貫目、品格があって、

ひときわ華やか。


地方も聞いたか坊主もいつもより人数が多く、

撒いた手ぬぐいが三階席まで届いて、大興奮。

客席も沸きにわく。


鐘入りは鐘の上に上手に玉三郎、下手に勘九郎、

平舞台の台に七之助、梅枝、児太郎。


なんとも名残惜しいような舞台。


26日まで。