十二月大歌舞伎 第三部を観る。
第三部は舞踊二本立て。
「二人椀久」と「京鹿子娘五人道成寺」。
「二人椀久(ににんわんきゅう)」は勘九郎と玉三郎。
巨木の松の背景がとてもすっきり。
勘九郎の椀久は松山に惚れこみ、
気真面目なだけに恋に狂う男の姿が哀しい。
なんといっても玉三郎の松山。
スポットに抜かれ、すーっとした立ち姿に気品ただよう。
高髷、白地に菱田模様、錦絵から抜け出たような、あでやか。
長唄は勝四郎、勝国。
「京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ)」
玉三郎を芯に勘九郎、七之助、梅枝、児太郎の若手四人の「道成寺」。
なんと花子が五人!
もうもう絢爛たる煌びやかさ。
五人の踊り、姿の美しさの競演・饗宴で、贅沢にして豪奢。
眼福とはこのこと。
玉三郎、さすがの貫目、品格があって、
ひときわ華やか。
地方も聞いたか坊主もいつもより人数が多く、
撒いた手ぬぐいが三階席まで届いて、大興奮。
客席も沸きにわく。
鐘入りは鐘の上に上手に玉三郎、下手に勘九郎、
平舞台の台に七之助、梅枝、児太郎。
なんとも名残惜しいような舞台。
26日まで。