馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり <芭蕉をうたう Ⅱ> | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



蕪村筆 芭蕉





 



  馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり            芭蕉







 「早朝に旅立って馬上に

なお夢心地でうとうととしていたが、

はっと目がさめてみると、

有明の月は遠く山の端(は)にかかり、

ふもとの村里からは朝茶をたく煙が立ち上ってくる>

                新潮古典集成『芭蕉文集』より




◆陰暦八月二十日過ぎ(太陽暦十月初旬)、
 
 歌枕の地の景色からの句。
 
 西行の「小夜の山中」、
 
 あるいは杜牧の「早行」などの詩歌を追懐したといわれる。




◆「芭蕉紀行集」第二曲。
 
 馬がぽっかぽっかと歩いているような音形から始まり、

 遠くに望む月、茶の焚く煙など、

 ゆったりとのどやかな曲。