「松尾芭蕉」与謝蕪村筆 (ウキペディアより)
野ざらしを心に風のしむ身かな 芭蕉
箕作秋吉「芭蕉紀行集」の第一曲になる。
『野ざらし紀行』は芭蕉41歳~42歳の旅で
紀行文は数年かけて推敲され書かれた。
俳諧を極めるため、
「野ざらし」を覚悟の旅路の冒頭の句。
切迫し、緊張感あふれている。
新潮社古典集成「芭蕉文集」では
<野に行き倒れて髑髏(どくろ)となる覚悟で、
行脚(あんぎゃ)漂泊を魂とする独自な
俳風を建立(こんりゅう)への旅立ちの
覚悟をのほどを語るもの>
句の解釈では
<野に行き倒れて髑髏となる覚悟で、
独自の誹風を開拓する覚悟で旅立つと、
ひとしお心にしみ入るばかりに
秋風の寂寥(せきりょう)を感ずるわが身の境涯である>
箕作作品の第一曲、
前奏の風のモティーフは
終曲「旅に病んで」に現われる音形と
時空を超え、響きあうように感じられる。