芭蕉紀行集
句 松尾芭蕉
みつくりしゅうきち
曲 箕作秋吉
「芭蕉紀行集」は箕作秋吉(1895-1971)の代表作。
一句一曲で全十曲の連作歌曲となっている。
句は松尾芭蕉(1644-1694)の
『野ざらし紀行』『笈の小文』『奥の細道』などから選ばれ、
「野ざらしや」「あらたふと」「荒海や」「閑かさや」「枯野」など
知られた名句に多様性をもつ曲で構成され、
<芭蕉の世界>を構築している。
この「芭蕉紀行集」、
1930、31年にかけて作曲されている。
<俳句>を作曲にするため、いままである和声でなく、
そのための作曲理論、技法を創生した。
「芭蕉紀行集」を管弦楽曲にし、「音詩」として
戦後初めて、国際コンクールで受賞し、
ベルギーで初演されている。
今回のコンサートでは
この初演版の楽譜でうたう。
◆2月22日(月)に高崎コアホール 19時~
◆2月27日(土)に前橋テルサホール 14時~
◆箕作秋吉(みつくりしゅうきち)
東京生まれ(1895-1971)。
東京帝国大学(現東京大学)工学部卒業後、ドイツに留学。
ベルリンのカイザー・ヴィルヘルム研究所で物理化学を研究する。
一方で、中学の時より興味を持っていた音楽にも励み、
ゲオルク・シューマンに和声法を学ぶ。
帰国後、池内友次郎やケーニッヒらに作曲を師事。
戦後は新興作曲家連盟(現日本現代音楽協会)の結成など、
日本の作曲界の振興に尽力するとともに、
東洋音楽大学教授として教育にも携わった。
「日本的なるもの」への探究心から、
「日本的和声」を提唱。
その独自の和声観に根ざした情緒的な作品を多く残した。
須藤 英子 (ピティナ辞典)