展翅 Ⅱ -俳句から詩へー | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



 展翅せよその子十六うすまぶた              掌


無窮を
とざし



久遠を
そこに

双の
掌を
かかげ

さざめく言葉は
すでにいらない
たましいは
尽きることなく
湧き出でる か

あふれる夜
したたりて
ひとを誘う
それはなに
酷薄な空に
美貌の海に
漆黒の太陽
煌よう白月

何処へ
運ばれ
ゆくか

ここに
来て
はやく

忘却を延べ
さあ
早く

その
<死>