「藤田嗣治展」を東京国立近代美術館 MOMATで観た。
4階、3階の2フロアを使い、
所蔵する藤田嗣治の全作品25点と特別出品の1点、
計26作品が展示されている。
藤田の乳白色の裸婦や猫などは
観る機会も多々ある。
今回の展覧会では、
なんといってもアメリカから「永久貸与」され、
近代美術館所蔵となった「戦争画」が圧巻。
150点ある戦争画の修復もほぼ終わっているとか。
藤田の戦争画14点を初めて観た。
展示室全体の照明もかなりしぼられている。
室温も下がった感があって、
そのうす闇のなかの大画面に
<茶色の塊>が眼に飛び込んでくる。
それは死と生のはざま、
極限の人間の生々しい姿がドラマティックに描かれて。
圧倒され、息が苦しい。
あの戦時下でこれらの絵を観て、
人びとはどのように感じたのか。
これが「戦意高揚」に結びつくのだろうか。
藤田が監督をつとめた映画がギャラリー内で常時上映。
子供たちの遊びや風俗などが撮られ、
唯一残ったもの、とか。
他に藤田旧蔵の挿絵本や、
藤田の言葉を伝える当時の雑誌など。
12月13日(日)まで。
近代美術館 ホームページ
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20150919/