「藤田嗣治、全所蔵作品展示。」 @東京国立近代美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



藤田




「藤田嗣治展」を東京国立近代美術館 MOMATで観た。

4階、3階の2フロアを使い、
所蔵する藤田嗣治の全作品25点と特別出品の1点、
計26作品が展示されている。

藤田の乳白色の裸婦や猫などは
観る機会も多々ある。

今回の展覧会では、
なんといってもアメリカから「永久貸与」され、
近代美術館所蔵となった「戦争画」が圧巻。
150点ある戦争画の修復もほぼ終わっているとか。

藤田の戦争画14点を初めて観た。
展示室全体の照明もかなりしぼられている。
室温も下がった感があって、
そのうす闇のなかの大画面に
<茶色の塊>が眼に飛び込んでくる。

それは死と生のはざま、
極限の人間の生々しい姿がドラマティックに描かれて。
圧倒され、息が苦しい。

あの戦時下でこれらの絵を観て、
人びとはどのように感じたのか。
これが「戦意高揚」に結びつくのだろうか。


藤田が監督をつとめた映画がギャラリー内で常時上映。
子供たちの遊びや風俗などが撮られ、
唯一残ったもの、とか。

他に藤田旧蔵の挿絵本や、
藤田の言葉を伝える当時の雑誌など。


12月13日(日)まで。


近代美術館 ホームページ
  http://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20150919/