小栗康平、10年ぶりの新作[FOUJITA」を観る。
一つひとつのショットが、なんと美しい映像か。
詩情をたたえた静謐な画。
その積み重なりで、
映像そのものが語りかけてくる。
前半は1920年代のパリ、
すでに渡仏10年、画壇の寵児となったフジタ(オダギリ・ジョー)。
カフェで、花魁道中を模した乱痴気騒ぎのパーティー、
高村光太郎の詩をシニカルに聞くフジタ。
後半は一転し1940年代、軍事下の日本。
戦争画を描き、その画の横に軍服で立ち、
敬礼をするフジタ。
五人目の妻(中谷美紀)と疎開。
藤田嗣治(1886~1968)の
伝記が語られるわけではない、。
藤田嗣治についてよく語られる
「フランスでリベラルに生きてきた画家が、
なぜ一転して戦争協力画を手掛けたのか?」ということは
この映画を観た観衆自身に、
その感性に問いかけてくる・・・か。
予告編
http://foujita.info/
ロードショーで上映中。