ドキュメンタリー映画「わたしの、終わらない旅」は
坂田監督の母、静子さんの遺した一冊の本
「聞いてください」から始る。
1977年から続けてい反原発のガリ版の
ミニコミ誌をまとめたもの。
それはフランスの再処理工場の近くに暮らす
姉から手紙がきっかけとなった。
そして起こった福島。
フランス、マーシャル諸島、カザフスタン、と
坂田監督はカメラを手にひとびと訪ねてゆく。
原発労働者、
大規模な核実験がおこなわれ土地を追われた島人。
静謐な映像が強く訴えかけてくる。
この映画で、坂田監督は
制作、監督、撮影、編集をひとりでおこなう。
映画の全編にチェロが通奏低音のように流れる。
演奏は群馬交響楽団のチェリスト柳田耕治氏。
わたしの共演しているピアニスト中島章恵さんが
音楽で協力している。
◆予告編
http://www.cine.co.jp/owaranai_tabi/trailer.html
日本各地で公開しているので、
お近くで上映のおりに、ご覧ください。
◆「わたしの、終わらない旅」ホームページ
http://www.cine.co.jp/owaranai_tabi/
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◆坂田雅子(さかた・まさこ)
ドキュメンタリー映画監督。
1948年、長野県生まれ。
65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。
帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。
1976年から2008年まで写真通信社に勤務および経営。
2003年、夫のグレッグ・デイビスの死をきっかけに、
枯葉剤についての映画製作を決意し、
ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、
ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。
2007年、『花はどこへいった』を完成させる。
本作は毎日ドキュメンタリー賞、パリ国際環境映画祭特別賞、
アースビジョン審査員賞などを受賞。
2011年、NHKのETV特集
「枯葉剤の傷痕を見つめて~アメリカ・ベトナム 次世代からの問いかけ」を制作し、
ギャラクシー賞、他を受賞。
同年2作目となる「沈黙の春を生きて」を発表。
仏・ヴァレンシエンヌ映画祭にて批評家賞、観客賞をダブル受賞したほか、
文化庁映画賞・文化記録映画部門優秀賞にも選出された。