今日の兜太 @「海程」東京例会 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


兜太




ひさびさに所属している「海程」東京例会に出席。
この日はニューヨークから、
福岡から出席する海程人も。

句も秋模様になって。


 和紙明かりのよう綿虫とすれちがう

最高点句。
「綿虫とすれちがう」ことが「和紙明かりのよう」。
「ほの明かり」、たるいリズム感が句柄にあう。
兜太評:心情をある映像であらわす。

 

 りりりりり真白き露の玉よ祖母


「真白き露の玉」である<祖母>、という喩が美しく、
「りりりりり」という擬音語が「露の玉」、をいい、
句全体の通奏低音ともなってひびく。

兜太評:言い切りで結んだのが良い。
(うちの祖母さんは、こんないい人じゃなく、意地が悪かったなぁ)

 

 宙にデブリ地に難民の玩具


高点で合評が沸騰した句。
「デブリ」には
1《壊れたり崩れたりして散らばった破片や残骸の 意》
山地で崩落し堆積した岩屑や雪塊、鉱山から出る廃石(ずり)などをいう

2《debrisはフランス語で破片の意》地球の周囲に浮遊する、
不用となった人工物。役目を終えた人工衛星や、
打ち上げに使用したロケットの残骸など。宇宙ごみ。宇宙デブリ。


兜太先生による句の講評が終わって、
作者の名が公表されて句会は終了。


金子兜太の俳句

   被爆福島狐花捨子花咲くよ