「うらめしや~、冥土のみやげ」 @東京藝術大学美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


「焔」
 
              上村松園「焔」



「うらめしや~、冥土のみやげ展」を
東京藝術大学美術館で観た。

<全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に>
「幽霊画」50点所蔵され、これらを核とした展示。

画家も「応挙から松園まで」というように、
円山応挙、長澤芦雪、曽我蕭白、
浮世絵の歌川国芳、葛飾北斎、
さらに河鍋暁斎、月岡芳年、などがずらり。

まさに日本美術史における<うらみ>の競演といったところ。


幽霊は妖怪と違い、
人間でありながら成仏できずに現世に現れ、
その「怨念」や「心残り」をもっている。


展示は四つにわかれており、

1、「圓朝と怪談」
圓朝にまつわる品々、「湯呑」「籠入り吸子」「パイプ」なども展示。

2、「圓朝コレクション」
江戸から明治にかけての絵師たちによる肉筆画。
「幽霊図」河鍋暁斎、「蚊帳の前の幽霊」鰭崎英朋など。


3、「錦絵による<うらみ>の系譜」では、
怪談噺を描いた浮世絵師の画の展示。
「怪談牡丹燈篭」「東海道四谷怪談」「小幡平次」
「東山桜荘子」「皿屋敷」。

歌川国芳の「摂州大物浦平家ノ怨霊顕るゝ図」、
さらに月岡芳年の「偐柴田舎源氏」「和漢百物語 清姫」
「平錐茂戸隠山鬼女退治之図」など。

月岡芳年(1839・天保10年 - 1892・明治25 年)は、
江戸の終わりから明治にかけて活躍した浮世絵師で、国芳の弟子。
図版ではいろいろ観ていましたが、実物をみるのは初めて。
芳年はその血まみれの色彩感覚が鮮烈で、凄惨。

 
4、「<うらみ>が美に変わるとき」
掛け軸の肉筆画。

応挙の「幽霊」、
品格がありながら、ひたすら哀しい。
暁斎の幽霊画、
うつむき加減の顔に片目をうっすらと墨に。


「蚊帳の前の幽霊」

            鰭崎英朋「蚊帳の前の幽霊」


いろいろ展示には演出がされていて、
室内に入るところは「闇」、
展示室の椅子のあるところには天井から蚊帳。
ショップの店員は白い着物だったり(笑)


ちらしにある上村松園「焔」に会いに行ったのですが、
これは9月1日~13日までの限定公開(!?)
お気をつけて。


9月13日(日)まで。


◆東京新聞
  http://www.tokyo-np.co.jp/event/urameshiya/outline.html