「有元利夫展」を観た。
<天空の音楽>と題された展覧会、
会場には音を絞ったバロック音楽が流れている。
有元作品をまとめて観るのは
安井賞を受賞したころ西武の美術館以来か、と。
花降る日
あの「花降る日」にも再会することができた。
作品からかもしだされる静寂からか
会場の空間も静けさをたたえて。
「素晴しい音楽を画面いっぱいに鳴り響かせる-、
いつかそんな作品を作ってみたいものです」と
有元は願っていたとか。
音楽をテーマにした銅版画、石版画はむろんのこと、
<独特の浮遊感>の画面からも
寂静の音が通奏低音のようにある。
珍しい陶器や木彫なども。
2月15日(日)まで。
花吹
◆高崎美術館 ホームページ
http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014102100030/
その制作期間はわずか10年、
奇跡のように珠玉の作品を描き、38歳で急逝しました。
有元利夫(1946-1985)-。
その名は今もなお特別の響きを持っています。
東京藝術大学在学中から、
フレスコ画や日本の仏画などの古画に共通する普遍の美に導かれ、
油彩画でも日本画でもない「いい絵」を描くために、
岩絵具や箔などを用いる独自の技法に辿りつきます。
長い年月を経て風化したようなその絵肌には、
ときに人物が宙を舞い、花びらが降りそそぎ、
いつとも、どことも知れない物語の幕が上がります。
この世ならぬ光に満ちて広がる空間には、
独特の浮遊感とともに、やがて、天空の音楽が流れはじめます-。
本展では代表作を含む絵画58点、版画23点、立体14点、計95点によって
画家10年の軌跡を辿るほか、幼少期や学生時代の油彩画、
遺愛の品々などをあわせて展示し、
没後30年を迎えようとする今日なお、
褪せない輝きを放つ有元利夫の美意識や、
豊かな創造の秘密をご紹介します。