オペラ「椿姫」NHKBS @グラインドボーン音楽祭2014 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

椿姫





2014年のグラインドボーン音楽祭で上演された
ヴェルディの「椿姫」をNHKBSで見た。

ヴィオレッタは、ロシアのソプラノ、ヴェネラ・ギマディエヴァ。
初めて聴いたが情感にあふれ、
みごとにヴィオレッタをうかびあがらせる。
この舞台はギマディエヴァを観ればいいというぐらい
コロラチューラの音型、一音一音に
心理の翳り、「道を踏みはずした女」の<真実の愛>がにじむ。
そして華やかで美しい立ち姿。

アルフレードはマイケル・ファビアーノ。

雰囲気がいかにも実直な田舎青年。
ちょっと頼りないが「純情一途」が伝わってくる。
声もじつにナチュラルで響きもある。

アルフレードの父ジェルモンを歌うのは、
ギリシャ生まれのバリトン歌手、タシス・クリストヤニス。
真面目に律儀に生きてきた人物をたくまずに演じる。
声も「声を聴かせる!」のでなく、
じっくりと沁みこむようなバリトン。

演出は時代をやや現代に近づけているが、
読み替えではなく、<ドラマ>を緻密に造形。
衣装もシック。
この演出だと音楽を堪能できる。

一幕
華やかなパーティーのなかで、
ヴイオレッタの病に冒されていることを複線に、
劇が組み立てられ、「乾杯のうた」や「花から花へ」など
聴かせどころがたっぷり。、

二幕二場、
ヴイオレッタを屈辱したアルフレードが客たちに非難されるが
ここでの合唱とのかけあい緊密な音楽が素晴らしい。

三幕
ギマディエワの歌唱が冴える。



◆歌劇「椿姫」(全3幕)(ヴェルディ)

<出 演>

ヴィオレッタ・ヴァレリー: ヴェネラ・ギマディエワ

フローラ・ベルヴォア: ハンナ・ヒップ

ドビニー侯爵: オリヴァー・ダン

ドゥフォール男爵: エディー・ウェイド

グランヴィル(医者): グレーム・ブロードベント

ガストン子爵: エマヌエーレ・ダグアーノ

アルフレード・ジェルモン: マイケル・ファビアーノ

アンニーナ(ヴィオレッタの小間使い): マグダレーナ・モレンドフスカ

ジョルジョ・ジェルモン(アルフレードの父): タシス・クリストヤニス


<指 揮>マーク・エルダー

<演 出>トム・ケアンズ


<合 唱>グラインドボーン合唱団

<合唱指揮>ジェレミー・バインズ

<管弦楽>ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団



<美術・衣装>ヒルデガルト・ベヒトラー

<照 明>ピーター・マンフォード



収録:2014年8月5日 グラインドボーン歌劇場(イギリス)


◆なんともうここに動画が(!?)

 http://operamusicale.blog.fc2.com/blog-entry-1182.html