東京二期会「イドメネオ」 @新国立劇場オペラパレス | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

イドメネオ



モーツァルト作曲・オペラセリア・
二期会「イドメネオ」初日を観た。


イダマンテ


イダマンテ、かつてはカストラートが歌い、
現在ではメゾソプラノが歌う。
山下牧子の王子、歌唱の緻密さ、
充実した声で惹かれる。

イリア:新垣有希子の清冽な声が、
「愛」をつらぬく強さをも示す。
(この演出では子を宿して、フィナーレでは出産場面も!?)

イダマンテ・エレットラ


エレットラ:大隅智佳子が凄い。
彼女にモーツァルトは魅力的なアリアを書いているが、
その嫉妬、復讐、怒りという激しい感情をもつ。
なかでも3幕のアリア、まさに嵐をもおこしたような
強靭な、表現で劇場中をさらった。

イドメネオ、アルバーチェ、大司祭がともに
テノールになって、
低声はバスの「声」のみ。

準・メルクルが豊饒な音楽を聴かせる。

レシタティーボにテェンバロでなく
ピアノを使用している。

さて演出、
紀元前のギリシャでなく「時のない時代」。
舞台には一面に砂がひかれ、そこここに
「死」の象徴である古びた靴が散乱。
その上で歌い、演技をする。
スーツをきた「王」と「王子」、
ブーツを履いた妊婦のイリア、
イケイケかキャバ嬢のようなエレットラが
ドラマを繰り広げる。

「これがオペラか!?」、
あるいはこれぞ読み替え演出によって、
オペラの本質があらわれた、という
賛否両論をひきおこすこと間違いなしの
ダミアーノ・ミキエレットの演出。



 モーツァルト「イドメネオ」

【配役】
イドメネオ:与儀 巧
イダマンテ:山下牧子
イリア: 新垣有希子
エレットラ:大隅智佳子
アルバーチェ: 大川信之
大司祭:羽山晃生
声:倉本晋児

【演出】ダミアーノ・ミキエレット
【装置】パオロ・ファンティン
【衣裳】 カルラ・テーティ
【照明】 アレクサンドロ・カルレッティ

【演奏】
準・メルクル指揮  東京交響楽団
二期会合唱団



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二期会メールマガジンより

▼二期会ブログでミキエレットの演出コンセプトを公開しています!
1幕http://r34.smp.ne.jp/u/No/1194741/4CpT4ff8g0BD_1221/140903002.html
 2幕http://r34.smp.ne.jp/u/No/1194741/dc8aA9f8g0BD_1221/140903003.html
 3幕http://r34.smp.ne.jp/u/No/1194741/kBP681f8g0BD_1221/140903004.html

●Webぶらあぼでは稽古場レポートがご覧いただけます(vol8まであります)
 ▼Vol.1
 http://r34.smp.ne.jp/u/No/1165752/a1_595fJGe91_1221/140825002.html

▼Vol5
http://ebravo.jp/archives/12438

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イドメネオ」はあまり上演されないオペラ。
2つのプロダクションに出た。
どちらも設定はギリシャ時代。

能楽師・観世榮夫演出、都市センターホールにて。
観世榮夫ファンだったのでサインをいただきにいったりして。

小澤征爾指揮、実相寺昭雄演出。
これは小澤さんが日本で初めてオペラを振り、
映画監督であった実相寺さんも初演出だったか、と。
(カーテンコールをしている幕のうしろでスリーショット)。