玉三郎の「天守物語」を観る。
もう何度観たことか。
富姫と演出を玉三郎、
姫川図書之助を海老蔵。
この二人、すでに5度目になる。
「天守物語」シネマ歌舞伎
泉鏡花の妖しの世界をこれほどまでに
舞台化できるのは玉三郎をおいていない。
細部にまで玉三郎の美意識がひかる。
海老蔵の涼やかな凛々しい若者、
台詞もこうした舞台では過不足がない。
にもかかわらずかつて観た舞台の集中した空間で
なかったのは、時ならぬ笑いが起こったからか。
富姫の「わたしは帰したくないと思った」
このたいせつな述懐に、なぜ。
いっそうこの「千年に一度の恋」が
哀しく、美しくなったとも。
夜の部、他に
市川右近の「悪太郎」
市川中車の夜叉王で「修禅寺物語」
7月29日(火)まで。