泳ぎ・およぎ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。








 
 忌日まで草の結界泳ぎゆく              掌









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 質問

 私の心境にぴったりしました。
<草の結界>を自分が泳いでいっているような気がしました。
ひとは体験のなかで、他人と同じようなイメージ、
おなじ世界を越していくのだなあという感慨をもちました。


金子兜太 

この句は<草の結界が>ポイントですね。
<結界>とはふつうは寺の庭、境内をいう。
そこにいて、ある法悦を味わうと言うか、
得度を体験する場だ。

この人の場合は寺ではなくて、
草ぼうぼうたる世界を自分の得度の世界と
考えているじゃないでしょうか。
<草>が<忌日>との関連で哀しみを誘う
ということになるんじゃないかな。
普通の寺の庭だとかだとこのような感情を
かんじさせるような結界感はないが、
<草>だと哀しみがでますね。

それがこの句のポイントでしょう。


    『現代俳句鑑賞8 金子兜太編』より





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 <泳ぎ・水泳・競泳・ダイビング・潜り>


海や川など泳ぐ人々が集まってくる。

夏の季語。