いよいよ、出羽三山の最高峰<月山>に登ります。
時は6月8日(陰暦)。
行者の登山装束、木綿注蓮(ゆうしめ)を身につけ、
強力(ごうりき)のもとに登ってゆく。
雲の峰いくつ崩れて月の山 芭蕉
<炎天下の入道雲がつぎつぎと崩れ去って、
夕空には中天高く聳(そび)え立つ月下の
月山の威容が眼前に迫ってくる>
霊地月山を賛美してあいさつのこころも託する。
「いくつ崩れて」の語に、
その対照として月山の不動の偉容を表白する。
「月の山」の語は
月山と月下の山の意を兼ね、
且つ「月」に「築(つ)き」をかける。
新潮日本古典集成「芭蕉文集」より
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<雲の峰・夏の雲・入道雲・積乱雲・雷雲>
夏の雲といえばまず入道雲(雲の峰)。
むくむくと大きくなったかと思うと、
いつの間にか消えていたりする。
積乱雲は入道雲の学名。
しばしば雷を伴うので雷雲ともいう。
夏の季語