オペラ「椿姫」ミラノスカラ座13/14 @NHK/BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

椿姫

             
          ダムラウ、ザンピエーリ


ソプラノディアナ・ダムラウ
のコロラトゥーラ、を聴きたくなって、
今シーズンミラノスカラ座「椿姫」を観る。
録画しておいたもの。

舞台の時代設定はどうも70年か80年代のよう。
幕開きにパーティーのための衣装を着けるところから。
なんともアンニュイな風情。

花から花へ


「ああ、そは彼の人か」の声を駆使したコロラトゥーラ。
そのフレーズもブレスも、揺れ動く心情を音型にのせて、
技巧のための技巧でなく、
感情のゆれうごきそのものが、
コロラトゥーラの音になっていて、
このようなこのアリアを聴いたことがない。

現実に引き戻されたヴィオレッタは
「そんな<愛>を信じるような、馬鹿なことをいって。
今の生活から抜け出せる訳が無いのに。
享楽的な人生を楽しむの、と一転して「花から花へ」を歌う。

ここでのヴィオレッタの歌の素晴らしさとともに
それを聞いているマーラ・ザンピエーリの
アンニーナ、なんと存在感のあることか。

(アルフレードのぺチャウはダサいオニイサン)

演出・衣装とも問題があっても、
ダムラウの歌唱と演技は素晴らしい。

もうこのアリアを聴いただけでいいような。


   二幕はこんな感じ。
椿姫 2幕


    三幕
椿姫3幕




「◆ 歌劇「椿姫」(全3幕) (ヴェルディ)

<出 演>
ヴィオレッタ・ヴァレリー: ディアナ・ダムラウ
アンニーナ: マーラ・ザンピエーリ
アルフレード・ジェルモン: ピョートル・ベチャワ
ジョルジョ・ジェルモン: ジェリコ・ルチッチ フロー

ミラノ・スカラ座合唱団
合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ
ミラノ・スカラ座管弦楽団

指 揮:ダニエレ・ガッティ

演出と美術:ドミートリ・チェルニャコフ

衣 装:エレナ・ザイツェワ
照 明:グレーブ・フィルシュティンスキー

収録:2013年12月7日
ミラノ・スカラ座(イタリア)