ダムラウ、ザンピエーリ
ソプラノディアナ・ダムラウ
のコロラトゥーラ、を聴きたくなって、
今シーズンミラノスカラ座「椿姫」を観る。
録画しておいたもの。
舞台の時代設定はどうも70年か80年代のよう。
幕開きにパーティーのための衣装を着けるところから。
なんともアンニュイな風情。
「ああ、そは彼の人か」の声を駆使したコロラトゥーラ。
そのフレーズもブレスも、揺れ動く心情を音型にのせて、
技巧のための技巧でなく、
感情のゆれうごきそのものが、
コロラトゥーラの音になっていて、
このようなこのアリアを聴いたことがない。
現実に引き戻されたヴィオレッタは
「そんな<愛>を信じるような、馬鹿なことをいって。
今の生活から抜け出せる訳が無いのに。
享楽的な人生を楽しむの、と一転して「花から花へ」を歌う。
ここでのヴィオレッタの歌の素晴らしさとともに
それを聞いているマーラ・ザンピエーリの
アンニーナ、なんと存在感のあることか。
(アルフレードのぺチャウはダサいオニイサン)
演出・衣装とも問題があっても、
ダムラウの歌唱と演技は素晴らしい。
もうこのアリアを聴いただけでいいような。
二幕はこんな感じ。
三幕
「◆ 歌劇「椿姫」(全3幕) (ヴェルディ)
<出 演>
ヴィオレッタ・ヴァレリー: ディアナ・ダムラウ
アンニーナ: マーラ・ザンピエーリ
アルフレード・ジェルモン: ピョートル・ベチャワ
ジョルジョ・ジェルモン: ジェリコ・ルチッチ フロー
ミラノ・スカラ座合唱団
合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ
ミラノ・スカラ座管弦楽団
指 揮:ダニエレ・ガッティ
演出と美術:ドミートリ・チェルニャコフ
衣 装:エレナ・ザイツェワ
照 明:グレーブ・フィルシュティンスキー
収録:2013年12月7日
ミラノ・スカラ座(イタリア)