『21世紀の歌舞伎俳優たち』上村以和於著。
ふと図書館で目にした本。
著者も初めて。
三月書房から2000年刊行。
16人の歌舞伎役者の小論で、
仁左衛門は襲名していたが、
十八代勘三郎ではな「勘九郎」であったり、
八十助だったり、
旅立たれたかたもあったり
と<時>をまざまざと感じさせる。
本のジャックには
「歌舞伎はいま「旬」である。
その旬の勢いを、最前線に立つ役者たちを語ってすくい取り、
21世紀へ向けての歌舞伎の現在を描く。
今が芸盛りの歌舞伎俳優16人の、
「旬」を生け捕った舞台写真16枚入り。
一昨年から昨年にかけて「演劇界」に連載の
「21世紀の歌舞伎俳優論」をもとに、あらたに4編を書き加えた」。
<目次>
片岡仁左衛門 風姿と風情の人
松本幸四郎 過剰なるものの意味
中村梅玉 白面の裡に宿すもの
尾上菊五郎 水浅葱から紫へ
市川團十郎 その役者ぶり
市川猿之助 空前の人
中村福助 二十一世紀の若女形
中村橋之助 正統ゆえの古色
中村松江 純度の高い宝石
中村時蔵 姉娘の微笑
坂東八十助 端正の美学
中村雀右衛門 実事の風貌
中村鴈治郎 絶後の人
中村富十郎 一瞬の永遠
坂東玉三郎 白き繊手
中村勘九郎 翔ぶが如く
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◆上村 以和於 (かみむらいわお)
本名・上村巌
1940年東京都生まれ。
山村女子短期大学教授。
慶応義塾大学文学部・大学院修士(英文)修了。
77年より歌舞伎劇評・評論活動を「演劇界」などを中心に開始、
94年より「日本 経済新聞社」の劇評を担当。
94年、第28回関西文学賞(文芸評論部門)受賞。
著書に『歌舞伎の情景』(演劇出版社)『演劇の季節』(関西書院)など。