
中世説経の「愛護の若」より「恋に狂いて」を観る。
両国のシアターX(カイ)にて。
説経節政太夫の語りと
もの言わぬ人形をもの言う役者、
動かない人形と動く役者での上演。
遠藤啄郎・説経の作劇は
仮面劇「小栗半眼・照手姫」につぐ第2弾。
「愛護の若」のあらすじをここに(ボートシアターホームページより)。
平安時代、嵯峨天皇の御世。
公家二条蔵人清平の一人息子「愛護の若」は、
母の命と引き換えに授かった観音の申し子であった。
しかし継母「雲居の前」に懸想せられ、
父親からもうとまれ、霧降の滝に入水自殺してしまう。
雲居の前も愛護の若の父に簀巻きにされ滝に入水。
後に龍の姿となり「愛護の若」の死骸を頭上に載せ現れる。
そして、愛護の若に関わった人々108人すべてが
霧降の滝に身を投げ、果てるのであった。

政太夫による節付け、
弾き語りの力強くあるいは嫋々と。
全編を支える。
何役もかね、直面で、仮面で、黒子のように顔をかくして
人形を操りながら、動き語り歌う役者たち。
画像のより衣装も素敵になって、
インドの布とか。
中世の<語り>・ことばの底力が迫ってくる。
人形は立雛をイメージし、
衣装は和紙でできており、
これらも仮面とともに遠藤の手による。
新しい平成の<説経>となるのでは。

愛護入水・奥に政太夫と音楽