説経「愛護の若」より「恋に狂ひて」 @ 横浜ボートシアター | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

「恋に狂いて」ポスター


中世説経の「愛護の若」より「恋に狂いて」を観る。
両国のシアターX(カイ)にて。

説経節政太夫の語りと
もの言わぬ人形をもの言う役者、
動かない人形と動く役者での上演。

遠藤啄郎・説経の作劇は
仮面劇「小栗半眼・照手姫」につぐ第2弾。

「愛護の若」のあらすじをここに(ボートシアターホームページより)。

平安時代、嵯峨天皇の御世。
公家二条蔵人清平の一人息子「愛護の若」は、
母の命と引き換えに授かった観音の申し子であった。
しかし継母「雲居の前」に懸想せられ、
父親からもうとまれ、霧降の滝に入水自殺してしまう。
雲居の前も愛護の若の父に簀巻きにされ滝に入水。
後に龍の姿となり「愛護の若」の死骸を頭上に載せ現れる。
そして、愛護の若に関わった人々108人すべてが
霧降の滝に身を投げ、果てるのであった。


人形と役者


政太夫による節付け、
弾き語りの力強くあるいは嫋々と。
全編を支える。

何役もかね、直面で、仮面で、黒子のように顔をかくして
人形を操りながら、動き語り歌う役者たち。
画像のより衣装も素敵になって、
インドの布とか。

中世の<語り>・ことばの底力が迫ってくる。

人形は立雛をイメージし、
衣装は和紙でできており、
これらも仮面とともに遠藤の手による。


新しい平成の<説経>となるのでは。




愛護入水

       愛護入水・奥に政太夫と音楽