「極楽金魚」創作人形影絵人形芝居 @ 前橋 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


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            チラシの一部 版画:竹内英梨奈


「極楽金魚」遠藤啄郎(作・演出)を観る。

前橋のギャラリー・ノイエス朝日において。


通常のイベントは椅子席なのだが、

演目からか、YBT(横浜ボートシアター)のためか、

座布団席も用意されている。


今回は影絵人形芝居での上演。

吉岡沙矢はひとりで人形を使い、物語を語る。

音楽は松本利洋。

人形制作は竹内絵梨奈。


作品は四国高松の郷土人形「ほうこうさん」の

由来話によるもの。


吉岡は位置の確かな<声>で

長者・おさき・太郎(長者の息子)・巫女たちを

くっきりと造形。

音楽(エレキギター・作曲家)が物語りの背景を、

叙景を描き、寄り添い、

また挑発するかのように絡んでくる。


この前に樋口一葉「軒もる月」の語り。

あとに遠藤のレクチャー。

「極楽金魚」、「仮面」について。

「極楽金魚」、初めはラジオドラマ、

そこから芝居になり、ヨーロッパ各地で公演、

結城人形座などいろいろな形態を

とってこの作品を上演してきた経緯を聞く。


ギャラリーに30点ほどの仮面が展示されている。

この仮面も遠藤の制作。材質は皮。

日本の演劇で仮面を用いているのは「能」とYBSのみ。

YBSの仮面は全面のほか、半面も。

半面は役者の型を取り、その唇のラインにあわせ、成型。

こうすることで科白をひびきやくする、とのこと。


吉岡が三種類の面をかけ替えて、

パフォーマンス。


充実したイベントであった。




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遠藤啄郎(えんどう たくお)は、

日本の劇作家・演出家・舞台用の仮面作成者。

第18回紀伊国屋演劇賞受賞、横浜市民文化賞(2001年)、

横浜ボートシアター代表。


1928年、神奈川県平塚に生まれる。

1952年、東京芸術大学油絵科卒業後、個展グループ展などで作品を発表。

1959年頃より、ラジオ、オペラ、ミュージカル、舞踊、人形劇、

演劇などの脚本ならびに演出家に転向。

舞台作品の日本国外での公演も多く、ヨーロッパ、

アメリカ、アジアなど30都市におよぶ。

長期公演としてはパリのオルセイ劇場での、

人と人形の劇「極楽金魚」の一ヶ月公演がある。

1981年、横浜の運河に浮ぶ木造船内を劇場とし、

横浜ボートシアターを結成。

その後、多摩美術大学映像演劇科、

日本オペラ振興会、オペラ歌手育成部などで講師をつとめる。


<代表作>

「つげかいどう・よしはるむら・あざ…」つげ義春原作(芸術祭参加)1971年

「小栗判官・照手姫」(第18回紀伊国屋演劇賞受賞)、

「若きアビマニュの死」

「王サルヨの婚礼~魔縁の妃~」

「仮面の四季」(セゾン劇場特別公演)

「夏の夜の夢」(シアターコクーン、プロデュース公演)

「龍の子太郎」(青山劇場五周年記念)

「耳の王子」(横浜ボートシアター・インドネシア国立芸術大学共同作品)

「OGURIとTERUTE」(シアターχプロデュース 
ケイ・タケイとのコラボレーション作品)



<著作>

「極楽金魚」(フレーベル館)

写真集「横浜ボートシアターの世界」(リブロポート)、

脚本集「仮面の聲」(新宿書房)



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「極楽金魚」あらすじ

四国にある場所で伝わる病気の子に添い寝させると

病気も不安をも吸いとってくれ、

朝に海に流すという「奉公さん人形」にまつわる話し。


昔、おさきと言う貧しい家の娘が居た。

家が貧しい為に、長者に奉公人として買い取られいった。

おさきは長者の家に代々伝えられている

「頂天眼(ちょうてんがん)」という黄金の金魚を

拝みたいとの願いを持っていたので、

身の不幸とは思っていなかった。


ある日、長者の長男である太郎が重い病にかかった。

しかしどんな治療を行っても回復の兆しが見えない。

長者は太郎の回復を願い、山の巫女の言うままに、

病気の根元であると言う太郎に憑いたイズナを

太郎から追出す為に

おさきを生け贄する事を考えた・・・




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