「ボクの四谷怪談」、騒音歌舞伎(ロックミュージカル)
と題された舞台をシアターコクーンで見た。
脚本・作詞:橋本治
演出:蜷川幸雄
音楽:鈴木慶一
橋本が学生時代に書いた戯曲を
どう蜷川が演出するか。
音楽は70年代風(ロックなんでしょうか?)、
北野武「アウトレイジ 」などを手がける鈴木慶一。
(わたしにはアンプをとおし増幅された音を受け付けるか、
どうか、が問題ではありましたが・・・)
コクーンの舞台には定式幕、
二階には提灯。
なんとも大胆に換骨奪胎された「四谷怪談」。
な~るほど、こうくるか、という場面がしばし。
やはり松也のお岩はきっちりと冴え、
テーマソングのバラードもソフトな声で歌っている。
お岩じつは・・・、
あの当時の流行(?)の自分探しであったり、する。
脇の勝村政信 瑳川哲朗、麻美れい、梅沢昌代など、
じつに自在に演(や)っている。
10月14日まで。
<シス・カンパニーのホームページ>
絃(いと)の調べは七五調 鼓(ドラム)の響きは八拍子(エイトビート)
ここは“お江戸”か“現代”か?
こんな「四谷怪談」、見たことない!
橋本治 幻の戯曲を、蜷川幸雄が奇跡の発掘!
シス・カンパニーとBunkamuraが強力タッグで贈る、
荒ぶる魂が美しく輝く“青春群像劇”!
「お岩さんの怪談話」として、日本人の誰もが知っている『四谷怪談』。
本公演の演出を務める蜷川幸雄も、舞台では、1971年に現代人劇場、
2001年にはシアターコクーンにて上演。
映画でも、81年『魔性の夏・四谷怪談より』、
'04年『嗤う伊右衛門』の2作を監督し、
原作歌舞伎の中にある、
「幽霊」の視覚的、感覚的だけではない普遍的な恐怖~人間の業の醜さ、
おぞましさ~ を、現代性を帯びた究極の人間ドラマとして
浮かび上がらせてきました。
その蜷川が、演出家デビュー直後の'70年代に偶然読む機会を得て以来、
その記憶の奥深くに刻まれていた『四谷怪談』が、
作家・橋本治が東大在学中に書いた、
本作『騒音歌舞伎(ロックミュージカル) ボクの四谷怪談』です。
「約40年の眠り」を打ち破り、
いよいよ幻の戯曲に"生命"が吹き込まれる時がやってきました!
キャストも軽妙で諧謔的でありながら、
猥雑なエネルギーに満ちた「青春群像時代劇」に相応しい、充実の布陣、
そして音楽も日本のロックシーンやサブカルチャーに絶大な影響力を
保ち続ける鈴木慶一と、蜷川幸雄独自の美学が融合し、
ロックが反逆の象徴であった'70年代と現代とをつなぎながら、
リアルな時代性をもって、
橋本治が描いた世界を浮き彫りにしていきます。
●ストーリー
時代は「昭和五十一年にして文政八年、さらに元禄十四年であり、
しかも南北朝時代」。 ところは東京都江戸市内。
長髪&Tシャツ&Gパン姿で職もない民谷伊右衛門(佐藤隆太)は、
当世人気の文化芸能人、伊藤喜兵衛(勝村政信)の早熟娘、
お梅(谷村美月)に一目惚れされる。
伊右衛門にはお岩(尾上松也)という病身の妻がいるが、
伊藤父娘はおかまいなしに伊右衛門を 口説きまくる。
お岩の妹、お袖(栗山千明)には許嫁の佐藤与茂七(小出恵介)がいるが、
主君の仇討 ちのため東奔西走する与茂七は滅多に顔を見せてくれない。
そんなお袖に恋い焦がれるのは、伊右衛門の友人で、
何をやってもうまくいかない直助(勝地涼)だ。
元武士のプライドばかり高い義父の四谷左門(瑳川哲朗)、
伊右衛門を妖しい眼差しで見つめる 腹違いの弟、
次郎吉(三浦涼介)、口うるさい母親のお熊(麻実れい)など、
伊右衛門の周囲は面倒 な身内ばかり。
やがて、妻のお岩の身に異変が起き──。
●キャスト
佐藤隆太 小出恵介 勝地 涼 栗山千明 三浦涼介 谷村美月 尾上松也
麻美れい 勝村政信 瑳川哲朗 青山達三 梅沢昌代 市川夏江
大石継太 明星真由美 峯村リエ 新谷真弓 清家栄一 塚本幸男 新川將人 ほか