「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」 二月花形歌舞伎 夜の部 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

2月花形歌舞伎



二月花形歌舞伎 夜の部はご存知「青砥稿花紅彩画」。
黙阿弥の代表作<白波五人男>の通し。

浜松屋や五人男が勢揃いする稲瀬川は
いろいろな役者で観たけれど通しは初めて。
こういう物語だったの・・・か。

黙阿弥の五七調の名台詞が聴かせる。

弁天小僧の菊之助、振袖姿の美しいこと。
黒の振袖と深い紅の長襦袢の取り合わせは
これ以上はないというくらい決まって。
刺青を見せ盗賊の正体をあらわすよくやっている。
(どうしても菊パパの自在な姿がチラついて・・・笑)

山門の立ち回りはエネルギーにあふれ、
スピーディ。
立腹を切る「ウッ」という声に
場内も一瞬息を詰めた。

南郷力丸は尾上松緑。
弁天小僧との掛け合い、いい。
松緑の声、けっこう好み。

忠信利平の亀三郎。
赤星十三郎の七之助。

駄右衛門の染五郎、
よくやっているが盗賊の大親分になるには
まだ「時」がかかる、か。


黙阿弥の白波、
まさに歌舞伎の醍醐味。


◆通し狂言 青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)

  白浪五人男

   序 幕  初瀬寺花見の場
        神輿ヶ嶽の場
        稲瀬川谷間の場
   二幕目  雪の下浜松屋の場
        同  蔵前の場
        稲瀬川勢揃の場
   大 詰  極楽寺屋根立腹の場
        同  山門の場
        滑川土橋の場

   
弁天小僧菊之助/青砥左衛門藤綱 菊之助
南郷力丸 松 緑
赤星十三郎 七之助
忠信利平 亀三郎
鳶頭清次 亀 寿
千寿姫 梅 枝
浜松屋倅宗之助 尾上右近
丁稚長松 藤間大河
浜松屋幸兵衛 團 蔵
日本駄右衛門 染五郎





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ちらしより

通し狂言 青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)

◆黙阿弥の名せりふに彩られた人気狂言
 盗賊の五人男が行き着く先は

 『青砥稿花紅彩画』は、
小山家が預かる重宝「胡蝶の香合」をめぐる
お家騒動を絡めた物語で、
様式美あふれる河竹黙阿弥の代表作です。

振り袖姿の美しい娘が刺青を見せ
一瞬にして盗賊の正体を顕す「浜松屋」、

五人男が土手に勢揃いし七五調のツラネを聴かせる
「稲瀬川勢揃」は、歌舞伎屈指の名場面として
知られています。

大詰の大立廻りの場面では、
屋根から山門への転換で用いられる
"がんどう返し"の仕掛けもみどころです。

今回の通し上演では、
白浪五人男それぞれの境遇、
奇縁によって繋がる関係や物語の展開がわかりやすく
ご覧いただけます。

黙阿弥の七五調の名せりふに彩られた
人気狂言をお楽しみください。