一家に遊女も寝たり萩と月 芭蕉 @ <初演>コンサートの曲 Ⅳ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


委嘱作品 野澤美香:作曲
今回が<初演>となる。

コンサートの4曲目。


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  一家に遊女も寝たり萩と月          芭蕉


(ひとつや)






<私と同じ旅宿に、今宵は薄幸の遊女も

泊まり合わせた。

その夜の前庭の萩と月とは、まことに、

そうした夜にふさわしい風物であった>



定めなき日を送る浮き草の身の遊女と

行脚漂泊(あんぎゃひょうはく)の自分との、

一見無縁のようで相似た境涯の者の同宿を

奇遇としての吟。


「萩と月」の語には、

お互いをそれによそえる心も含む。
                     新潮古典集成「芭蕉文集」より




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この句を詠んだとされる市振には、

旧暦6月12日、新暦8月26日となる。