委嘱作品 野澤美香:作曲
今回が<初演>となる。
コンサートの4曲目。
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一家に遊女も寝たり萩と月 芭蕉
(ひとつや)
<私と同じ旅宿に、今宵は薄幸の遊女も
泊まり合わせた。
その夜の前庭の萩と月とは、まことに、
そうした夜にふさわしい風物であった>
定めなき日を送る浮き草の身の遊女と
行脚漂泊(あんぎゃひょうはく)の自分との、
一見無縁のようで相似た境涯の者の同宿を
奇遇としての吟。
「萩と月」の語には、
お互いをそれによそえる心も含む。
新潮古典集成「芭蕉文集」より
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この句を詠んだとされる市振には、
旧暦6月12日、新暦8月26日となる。