病む馬のまなざしのなか紅葉散れり 掌
●金子兜太による鑑賞
病む馬へのまなざしのやさしさがでている。
この句はその心情が書ければよいと決めて書いているから、
それ以上に向う側にたちいろうとはしていない。
しかしあたりの紅葉と馬の目のなかを
よぎっている紅葉がより一層哀しい。
紅葉がふつう以上に美しい。
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<紅葉散る・散る紅葉>
野山を美しく彩った紅葉も、
木枯しが吹くと一晩でおおかた
散ってしまうこともある。
散る紅葉は地面や水面に
散り落ちた紅葉をいう。
冬の季語。