霧・きり | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。









   絶海濃霧ひとりひとりとひかりごけ           掌









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 <霧・狭霧・朝霧・夕霧・夜霧・山霧・川霧・海霧(ガス)

  野霧・薄霧・濃霧・霧雨・霧時雨・霧雫>


春の霞に対して、秋は霧という。

霧雨を霧時雨ともいう。


秋の季語。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●「ひかりごけ」武田泰淳著


●オペラ「ひかりごけ」 ウキペディアより

『ひかりごけ』は、團伊玖磨が作曲した全2幕のオペラである。

武田泰淳の小説『ひかりごけ』を台本としている。


◆ 作曲の経緯

1970年の秋に公演先の盛岡で三島由紀夫の自殺を知り、

暗い気持ちで東京に戻った團は、

演出家の浅利慶太と共に民音よりオペラを委嘱されるが、

内容が團らの嗜好に合わなかったため、それを断る(浅利と共に)。

その際、浅利と「ひかりごけ」の話をした團は、

その後「ひかりごけ」を読み返し、

すぐに魅了される。そうして、

八丈島の小屋に籠もり、

1971年丸々かけてスケッチを年末に、

オーケストレーションを1972年2月20日に終えた。



◆初演

1972年4月27日、大阪国際フェスティバルにて。

東京初演は、1年後に東京日生劇場にて。

共に演出は浅利慶太である。



◆演奏時間 約1時間45分


◆登場人物

船長(バリトン)

西川(テノール)

八蔵(バス)

五助(バリトン)

裁判長(バリトン)

検事I(テノール)

検事II(バリトン)

弁護人(テノール)

傍聴人(合唱)



◆あらすじ

舞台は、第二次世界大戦末期の昭和19年春、

北海道は知床のマッカウス洞窟の中。


船が難破しここに漂着した船長、

西川、八蔵、五助の4人。

弱気な八蔵と五助に対して強気な西川は、

生還を信じてこの2人と言い争いになる。

腰痛の五助を残し、船長と西川は食料探しに出る。

その間、五助は八蔵に自分が死んだら

食料にされるのではないかと訴えるが、

自分はそんなことはしないと八蔵は窘める。


それから、3日が経過し五助は息絶える。

船長は西川を懐柔しようとする。

八蔵は遺体を海に流すと主張するが、

船長はそれを退ける。さらに3日が経過し、

船長と西川は五助を喰う。

衰弱した八蔵は、己を責める西川を慰める。



全2幕

第1幕:マッカウスの洞窟の場

第2幕:法廷の場




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

東京初演を観ました。

オペラの初演は華やぎに満ちたものですが、

このオペラの幕間、

みな沈鬱な、おのおのが内奥をのぞきこむような

なんともいえない雰囲気を鮮明に覚えています。