小澤征爾、復活! @ NHK・BS サイトウキネン・フェスティバル | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


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NHK・BS深夜、小澤征爾のドキュメンタリーの放映。

今年のサイトウキネン・フェスティバル松本での

オペラを始めとして、若手の指揮者への指導、

子供たちへの稽古、

各プログラムの本番などを

時系列で追って、記録したもの。


生の小澤征爾の<現在(いま)>があった。

顔色も良くなって、

少々痩せてはおられるものの、

稽古での様子はエネルギッシュ。

よかった、よかった♪



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オペラはラヴェル「こどもと魔法」。

50分と短い作品だが、しかけがいっぱい。

じつに良く出来ている舞台。



このオペラ公演の紹介は読売新聞2013年9月10日を以下に。

画像はフェスティバルのホームページより。


今年で22回を数えるサイトウ・キネン・フェスティバル松本。

目玉となる小澤征爾は長期の体調不良で登場が危ぶまれたが、

このたびラヴェルの「こどもと魔法」で指揮台に立ち、

みごと復活の兆しをみせた。


このオペラ、規模は小さいものの、内容は盛りだくさん。

こらえ性のない子供が傷つけた家具や食器、

それに動物や植物がとっかえひっかえ姿を現しては、

非難の言葉を子供に浴びせかける。


ロラン・ペリーの演出は、

この多彩な具材をあざやかな手つきでさばき、

しゃれた小皿料理の数々を出してくる。

着ぐるみのあいだから生身の肉体が透けて見える

大胆な衣裳いしょうや、上下左右、

いとも自在にゆらめいて子供を威嚇する暖炉の炎など、

まこと贅ぜいをつくした舞台だ。


 どこを切り取ってもよいのだが、

たとえばティーポット(ジャン=ポール・フーシェクール)と

中国茶碗ちゃわん(イヴォンヌ・ネフ)のグロテスクにして

滑稽なデュエット。

このジャズふうの角張った楽想があるからこそ、

お姫様(アナ・クリスティ)がお話を壊されてしまったと嘆く、

あのしっとりした情景が際立つというものである。


 つづく子供ひとりの場面を導き出すのはヴァイオリンの

思い切って絞り込んだ弱奏。

なるほど、この息を呑のむような瞬間こそ

小澤の小澤たるゆえんなのだろう。

 
                  (音楽評論家 三宅幸夫)

 ――8月28日、松本・まつもと市民芸術館。


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ラヴェル作曲 オペラ「こどもと魔法」

 <出演>

こども:イザベル・レナード

肘掛椅子、木:ポール・ガイ

母親、中国茶碗、とんぼ:イヴォンヌ・ネフ

火、お姫様、うぐいす:アナ・クリスティ

雌猫、りす:マリー・ルノルマン

大時計、雄猫:エリオット・マドア

小さな老人、雨蛙、ティーポット:ジャン=ポール・フーシェクール

安楽椅子、こうもり:藤谷佳奈枝



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このラヴェル「こどもと魔法」、

NHK交響楽団の定期公演で、

若杉弘指揮、松本美和子(ソプラノ・こども)の

演奏会形式でのときに合唱で出演しました。