合歓の花・ねむのはな | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。






    象潟や雨に西施が合歓の花           芭蕉


 (きさがた)  (せいし) (ねぶ)                  







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「何と魅惑的な象潟の情緒であることよ。

それはさながら、雨に濡れて咲いている合歓の花のように、

憂愁をたたえてまぶたを閉じている西施の風情である」


蘇東坡が西湖の美景を西施の美貌にたとえたのに倣う。


「西施が眠り」に「合歓」(葉を閉じる)を

言いかけて比喩を重層させた。

            新潮古典集成「芭蕉文集」より



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松島は笑ふがごとく、

象潟は憾(うら)むがごとし。


曲は委嘱作品:野澤美香による。

シノワズリの印象的な和音づかい、

雨にけぶる気を、情緒をかもす曲。




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  <合歓の花・ねぶの花・花合歓・合歓咲く>


マメ科の落葉高木。

山野に自生している。

7月ごろ開花するが、

紅色の多数の雄しべが美しく、

涼しそうな羽状複葉とよく釣り合う。

葉は夕方閉じ、花は夕方開く。


夏の季語。



以前、
家にかなり大きい合歓の木があって、

けぶるような花と閉じて眠る葉が

とても不思議でした。