第三回目になりました。
今回の句はこちら。
「海程」490号の同人作品からの選句になります。
<共鳴二十句>
行き場なき漂流家族秋出水 石川青狼
とんぼ飛ぶ音なくてこの日常感 伊藤淳子
銀杏の日差しはすなおに傾ぎます 稲田豊子
十六夜や気配はぬれているのです 大谷 清
補堕落やその木に冬の蝸牛 大西健司
鱗(うろくず)に眠りの浅瀬月昇る 朧 春樹
鳥の名をいいつつ秋を掃きよせる 小池弘子
脳病みてすなわち放浪(さすらい)という 小林一枝
こうるさい姑を茸山に据え 佐々木昇一
有の実やのんびりごっつい兄貴です 猿渡道子
秋の男象の皺みて小半日 柴田美代子
月夜茸やさしそうに泣きもする 白井重之
鬱の夜の度に寒禽砂となり たかはししずみ
冷え性の稗の種ですわたくしは 遠山郁好
神は死んでそれから銀杏ひろいかな 中内亮玄
かえれないフクシマ赤のままかな 中村 晋
草じらみ一年分の米買いに 梨本洋子
うつらうっすら短慮という虫飼いならす 村上友子
遊びいて母郷どすんと風が冬 山本 勲
面(おも)うつぶせ遡上の雄鮭千曲なる 柚木紀子
お好きな句、ありましたか?