どの句がお好き? Ⅲ @金子兜太主宰「海程」共鳴20句 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


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第三回目になりました。

今回の句はこちら。

「海程」490号の同人作品からの選句になります。


  
   <共鳴二十句>


行き場なき漂流家族秋出水       石川青狼


とんぼ飛ぶ音なくてこの日常感      伊藤淳子


銀杏の日差しはすなおに傾ぎます     稲田豊子


十六夜や気配はぬれているのです     大谷 清


補堕落やその木に冬の蝸牛        大西健司


鱗(うろくず)に眠りの浅瀬月昇る     朧 春樹


鳥の名をいいつつ秋を掃きよせる     小池弘子


脳病みてすなわち放浪(さすらい)という  小林一枝


こうるさい姑を茸山に据え       佐々木昇一


有の実やのんびりごっつい兄貴です    猿渡道子


秋の男象の皺みて小半日        柴田美代子 


月夜茸やさしそうに泣きもする      白井重之


鬱の夜の度に寒禽砂となり     たかはししずみ


冷え性の稗の種ですわたくしは      遠山郁好


神は死んでそれから銀杏ひろいかな    中内亮玄


かえれないフクシマ赤のままかな     中村 晋


草じらみ一年分の米買いに        梨本洋子


うつらうっすら短慮という虫飼いならす  村上友子


遊びいて母郷どすんと風が冬       山本 勲


面(おも)うつぶせ遡上の雄鮭千曲なる   柚木紀子



お好きな句、ありましたか?