金子兜太の「書」、ご存知ですか?
句と同じように骨太にして雄渾。
色紙をはみ出してしまいそう。
1ページに一句、たっぷりした書が書かれ、
その句のご自身の解説がある。
どうぞ、本を手にとって、ご覧ください。
小鳥来て巨岩に一粒のことば 兜太
巨岩と小鳥の結び付きはいささか図式的なので、
ためらったのだが、巨岩に一粒のことばをもたらす、
という発想が捨てがたく、そのままにした。
名僧賢者のことばには有難いものが多いが、
一衆庶のふと口にしたことばにも
卓抜なものが時にはある。
いま賢者・巨岩に渺たる者・小鳥
のその一と言が。
〈衆愚名言集〉なきや。 『東国抄』
『金子兜太 自句自解』より引用
金子兜太著 自句自解99句 角川学芸 2012年刊
「海程」主宰、朝日俳壇選者である金子兜太氏の
自選代表句99句を肉筆色紙からの印刷で収める自選自解集。
兜太氏の自選による自解集は初めて。
作句開始75年、俳誌「海程」の創刊50周年記念出版。
豊満に、力強く、独自のイメージが屹立する!
兜太の名句99句。
自筆染筆句に著者自らの解説を添えた自選自解集。
「BOOK」データベースより