俳句鑑賞、もうひとつはこちら。
二句の鑑賞で次数は400字。
こちらは一行短くして。
()はルビ。
でろでろと長々し夜を一人かな 中田里美
「でろでろ」にやられた。
「とろとろ」でも「どろどろ」でも
「てろてろ」でもない「でろでろ」。
不気味さとある図太さ。
このオノマトペは
歴史的に積み重ねられた「秋の夜長」の情緒を軽く一蹴する。
しれっとひとり存(あ)在る。
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を独りかも寝む」と
柿本人麿は詠ったが、
よもや「ひとり寝の夜」がでろでろと長い」とは
思わなかったに違いない。
でろでろ。