どの句が、お好き?  「海程」490号 共鳴二十句 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

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金子兜太主宰の俳句誌「海程」490号(2013年2・3月号)から

良い句だな、あるいは興味深い句を20句選ぶ、

共鳴二十句。


第二回目です。

千句以上の句のなかから選びます。

投句をしてから雑誌の紙面でるまで3ヶ月ほど

かかりますので、季節はちょっとずれて。


どうぞ。ご覧ください。

()になってしまいますが、ルビです。




   <共鳴二十句>    山本 掌



巨大なる素霊(すだま)ヒマラヤ杉晩夏      阿保恭子


いなびかり原初の人の強き脛      有田莉多


青榠櫨うす味という軽い枷       伊藤淳子


蛸の力つねに無常は濡れている     大谷 清


氷河期の水を沸騰させており      河西志帆


後の世は誰もうつくし曼珠沙華    北村美都子


幻かあの日あの肩鬼やんま      小林まさる


夕されや傷縫うように揚羽過ぐ     佐藤詠子


あぶくまに晩夏の膝を抱いている    清水茉紀


真っ直ぐに愁思ざざっと鴎      田口満代子


笑みはただ零れるものを日短し     遠山郁好


幾筋の夜ルルと鳴きリリと鳴く     中内亮玄


でろでろと長々し夜を一人かな     中田里美


たそがれ川獺がまた消えてしまう   中村加津彦


梅雨旱少年は大靴である        梨本洋子


海峡ははるかなるもの良夜かな    堀之内長一


鶴は身を捩じりつつも渡るかな    本田日出登


もう帰ろ島へ跣足を捨ててゆく     根岸暁子


秋立つと萬金丹をこぼしけり      前田典子


花野からあなたの影が抜けている    宮坂秀子