金子兜太主宰俳誌「海程」2・3月号に<共鳴20句>を掲載 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



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金子兜太主宰「海程」は月刊誌で、
2・3月号、8・9月号が合併になります。
なぜか2月になると2月号と暦のとおり(笑)。

2012年12月号の同人作品から20句を選び、
そのうち2句を鑑賞というもの。

同人作品は1000句以上。

冊子になるまで2・3月かかり、
そこから選句をするので季節はちょっとずれてますが(笑)。


  
 

「海程」2013年2・3月号 <488>


  
   <共鳴二十句>           山本 掌選



口々にフクシマを言う逃水を言う     伊藤淳子


この街ごと梱包したい酷暑かな      井上俊一


片蔭にかかとを白く見失へり       上原祥子


地下がある夏蝶を敷き詰めてゆく     小川楓子


青蚊帳の空の真ん中から垂れる      河西志帆


すかんぽう西はすべてを空気投げ     九堂夜想


手を置けば母在りし揺り椅子の揺れ    菅原和子


亀の子や涼しき水を頬被り        高木一恵


遠雷やマリオネットは地に鬱(ふさ)ぎ   田口美代子


曼珠沙華あふれて空が止まらない     月野ぽぽな


虫たちの暗鬱な触覚を見よ        遠山郁好


東北よ流灯肉厚なる闇へ         中村 晋


帰れない蛍に歩行うばわれて       根岸暁子


木よ石よ私は夕焼雲を抱く        野崎憲子


葛ゆれる皮膚に薄日の一行(いちぎょう)  藤野 武


誰そ彼や鮎の骨抜く箸さばき       松本悦子


八月を古代文字のごと寝入る       松本廉子


掌(てのひら)を時に羊歯とも化石とも   三木冬子


蛍火を映して少し水でゐる        柳生正名


霧がゆく手は手をにぎり白くゆく     山本 勲



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