
シャルダン(1699~1779)、
フランスの<静寂>の画家といわれる。
日本での開催は初めて。
この美術館の雰囲気ともよく似通う、
静謐な気につつまれて。
展示は4つのコーナーに分かれている。
第一部 多難な門出と初期静物画
第二部 「台所・家事の用具」と最初の注文制作
第三部 風俗画ー日常生活の場面
第四部 静物画への回帰
身近にある静物がひっそりとただづむ。
狩猟でしとめられた兎のすでに
死に抱かれている、空漠とした
ガラスにでもなったかのその目。
チラシ裏「食卓の祈り」
小品が多い。
緻密な小世界をていねいな筆が
つくりあげている。
注文がくるようになってからの、
少女、ばら色のほほが命をたたえているのに、
日常のなかにふっと息をとめた、
そんな時間が、画布にはある。
このシャルダン作品の他に、
ルドンの「花かご」。
後期の花々のひとつだが、
こんなに大きいとは!
しばし見惚れる。
2013年1月6日まで。