草間彌生の「永遠の永遠の永遠」。
最新の作品の展覧会が日本各地で催されている。
世界でもまた別の巡回展が行われている由。
埼玉近代美術館は初めて。
北浦和駅から徒歩5分くらい。
北浦公園の一角にあって、週末の、
それこそ新樹の、あふれるひかりがそそいでいる。
弦楽の演奏も流れてくる。
エントランスにはすでに赤地に白の水玉の
オブジェがお出迎え。
ガラス窓にも大小の赤い水玉が飛ぶ。
「わが永遠の魂」の連作群。
さまざまな色合いのプリミティヴとも
眼や横顔など執拗なまでのモティーフの
反復あるいは増殖。
画面からあふれだすエネルギーは圧巻。
モノクロームの「愛はとこしえ」群。
インスタレーションの部屋は行列。
珍しくならんで順番を待った。
鏡が張りめぐらされ、下には水。
光源が多数吊り下げられ、
鏡や水面に反射され、無限の広がりを感じさせる。
先日の虹・レインボーの空間も
面白かったが、ここもまた異なる世界への入り口のひとつか。
白地に赤の水玉の空間に巨大なチューリップたち。
かの黄色い大カボチャ。
これらのところでは写真がOK。
館所蔵の50年代からの抽象画やかばん・脚立などオブジェ作品。
アメリカでのパフォーマンスやファッションの写真など
多角的に草間が見られる展示。
この<KUSAMAワンダーランド>に
子供から大人、年配の方まで多様なひとが
こうした草間作品を楽しんでいる雰囲気も好ましい。
話し声も気にならないのは不思議。
5月20日まで。
●草間の作品
http://www.momas.jp/3.htm
●2012年4月13日~5月20日
●埼玉近代美術館 ホームページはこちら。
現代美術家として活躍する草間彌生の、最新の創作活動を紹介。
半世紀以上にわたって、水玉や網の目の作品を作り続けてきた草間は、
2009年から、驚異的な創作意欲を傾け、
まったく新しい絵画の仕事に取り組みはじめました。
それらは子どものように自由で楽しい想像力に溢れながら、
人間の内面世界をえぐり出すような、
これまでに見たこともない作品群となりました。
この色彩豊かな新作と対照的なのが、
50点からなる『愛はとこしえ』の連作です。
草間が2004年から3年間で一気に描き上げたモノクロの線画作品は、
無限に湧き出る連鎖的なイメージを、
魔法のような筆使いで描き出したものです。
さらに、初公開となる『南瓜』などの彫刻やインスタレーションも展示し、
草間の分身としての創作世界を体感いただきます。
1929年、長野県松本市生まれ。
10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに幻想的な絵画を制作。
57年渡米、巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、
鏡や電飾を使った環境彫刻を発表する。
60年代後半にはボディー・ペインティングなど多数のハプニングを行う。
73年帰国、美術作品の制作発表を続けながら、小説、詩集も多数発表。
93年第45回ベネチア・ビエンナーレに代表作家として日本館初の個展を行う。
98年ニューヨーク近代美術館などで大回顧展が開かれる。
01年朝日賞受賞。
04年「クサマトリックス」(森美術館)は52万人を動員。
09年文化功労者に選定される。
11年5月よりマドリードの国立ソフィア王妃芸術センターを皮切りに
パリのポンピドー・センター、ロンドンのテート・モダン、
ニューヨークのホイットニー美術館を巡回する大規模な個展を開催中。
草間彌生
http://www.yayoi-kusama.jp/j/information/index.html