塚田佳男 日本歌曲公開レッスン F邸サロン
花水木、パンジー、シンピジウム、
牡丹などなどの花々が咲き誇るお庭。
なかのサロンも設えが美しく。
今回は2日間。
前日に聴講し、歌いたい、
あるいはまだレッスンを受けてない曲を聴く。
レッスンを受けたのは
・ ひとつ屋に遊女も寝たり萩と月 野澤美香 曲
・ 電話 山田耕筰 曲
の2曲。
芭蕉の句を曲にしたのは新曲なので前もって
楽譜を送って。
この「萩と月」は「おくのほそ道」の最新作で、
昨年の誕生祝に作曲家から贈られた曲。
山田耕筰は「山田耕筰百童謡集」のひとつ。
「ずいぶん極端な曲だね」と塚田氏。
「現代曲・書き下ろしは自由にやってくれていいよ」
と言われながら、譜読みは深い。
一度歌い(歌もピアノも人前での演奏は初めて)、
「いまのだと深刻で重いね」と。
野澤作品、1小節ごとに拍子が変わったり、
小節線がなかったり、
拍子をあえて感じさせないように書かれていたり、
リズム、和音使いもじつに複雑。
たま~に同じ音があるのが不思議だったりする。
アドバイスを活かし、歌っていくと
曲の姿が立ち現れてくる。
この分散和音は萩の花のほろほろと崩れていくところ、とか、
上向形はその花びらが風にでも吹かれてくるかのよう、だったり。
野澤作品の不協和音はたいそう美しい。
ここ半年ほど考えるところがあって、
日本人に親しまれている
山田耕筰の名曲二チャレンジを始めた。
山田作品へうつるとき、
あまりに曲想が異なるので、曲に集中しずらい・・・
こうした平明で明るい曲を<曲>として、
歌えるようにしたい、と。
今回も充実した内容の濃いレッスン。