二月大歌舞伎 勘九郎襲名 夜の部 @新橋演舞場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

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<夜の部>は千秋楽に。

「鈴ヶ守」、
「口上」、
「鏡獅子」、
「ぢいさんばあさん」。


「鈴ヶ森」は勘三郎と吉右衛門の共演が話題。
はかなげな美少年という役柄もあってか、
ふと勘三郎丈、だいじょうぶかしら、などと。


さてお次はいよいよ新勘九郎襲名の「口上」。
幕が上ると役者がずらりと並ぶ。
これを観るだけで華やぎが劇場中に満ちてくる。
先輩、親戚のあたたかい眼差し、
慈しみを感じさせる口上にも
それぞれの役者の柄がにじむ。


お待ちかね、「鏡獅子」。
うれしいのは老女に小山三丈。
93歳現役役者。
中村屋の長老にしてアイドル!
「あたし老け役はしないの」と言っておられたが、
手塩にかけた<勘九郎>へのはなむけ、か。
もう小屋中が沸く。


老女に手を引かれて、
弥生・勘九郎の出、じわがきたか。
まさに花も恥らう楚々とした乙女。
その手のひとさし、ひとさしのたおやかなこと。
清楚にして、凛冽。


この間に照明ではなく舞台が
一閃、ひかり輝いたのを観た。


踊りが興にのり、
獅子頭を手にし、
獅子の精に突き動かされて花道に。
観客ひとりひとりが身をのりだすよう。


胡蝶の舞も愛らしく。


獅子になっての出。
牡丹に戯れ、
胡蝶と遊ぶ。
そして毛振り。
躍動感、あふれる。
勇壮にして、絢爛。
まさに<新勘九郎誕生>。


後見に七之助。
じつに健闘。


床のうた、笛、三味線、鼓、太鼓の
演奏がまたすばらしく、冴え渡る。


もうもう大拍手。
できるものなら何年後かに丈の「鏡獅子」を
観てみたい。




<夜の部>

一、御存 鈴ヶ森(すずがもり)
              幡随院長兵衛       吉右衛門
               東海の勘蔵       彌十郎
               北海の熊六       錦之助
                飛脚早助       家 橘
                白井権八       勘三郎




二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
      勘太郎改め勘九郎           幹部俳優出演



三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
          
          小姓弥生後に獅子の精  勘太郎改め勘九郎
                胡蝶の精       玉太郎
                   同       宜 生
             用人関口十太夫       亀 蔵
            家老渋井五左衛門       家 橘




四、ぢいさんばあさん
               美濃部伊織       三津五郎
              宮重久右衛門       扇 雀
                宮重久弥       巳之助
                 妻きく       新 悟
                戸谷主税       桂 三
               石井民之進       男女蔵
                山田恵助       亀 蔵
               柳原小兵衛       秀 調
              下嶋甚右衛門       橋之助
               伊織妻るん       福 助