こんにちは
前回に引き続き、新人培養士がブログを担当させていただきます
今回は精子調整法についてです
まず、なぜ精子調整法を行うのかというと…
射精後の精液には、血球や細菌などの異物が含まれています
それをそのまま体外受精に使用すると感染症のリスクや受精の妨げになります。
そのため、精子を洗ってあげたり泳がせてあげる精子調整法を行い体外受精に使用するのです
当院では、基本的に密度勾配遠心法の単層法を行っています。
単層法は、成熟した精子は未熟・死んでしまっている精子や血球・細菌などの異物よりも比重が重いので、遠心分離をすることによって成熟した精子が沈殿し回収することを目的としています。
実際の手技としては、
①患者様からお預かりした精液に精子洗浄用培養液を加えて、粘性のある精液をサラサラの状態にする液化と呼ばれる操作をします。精子洗浄用培養液を加えることによって遠心処理から精子を保護する、細菌増殖を防ぐねらいがあります
②その精液を密度勾配用培養液の上に重曹し、遠心分離を行います。
③遠心分離後、異物や未熟な精子の含まれる上清を静かに取り除き、沈殿した精子をAIHや体外受精に使用します。
また、射精後の精液検査が良くない方に対して濃縮法といわれる処理を行います。
密度勾配遠心法との大きな違いは、精子を洗浄し血球や細菌などの異物を取り除くだけで精子の選別はしない点です
精子所見が良くない方に密度勾配遠心法を行うと、その操作によって十分な量の精子が回収することができなくなる場合があるため、可能な限り精子を集める方法として濃縮法を行います。その後、集まった精子をAIHや体外受精に使用します。
今回は精子調整法の精子を洗う操作である密度勾配遠心法・濃縮法についてまとめてみました
次回は、精子調整法の精子を泳がせてあげる操作のスイムアップ法についてお話していく予定です