こんにちは
そして初めまして、4月からこちらの馬車道レディスクリニックで働き始めた新人培養士です
これから私が勉強していることを皆さまに簡単にまとめてお伝えしていければと思います
今日はその第一回として精液検査についてお話しさせていただきます
そもそも精液検査は、男性不妊症の検査として行われるものです。
WHOマニュアル2021による精液所見の基準下限値は以下のようになります
①精液量 1.4mL
②精子濃度 16×10⁶/mL
③総運動率 42%
④正常形態率 4%
この検査結果によって、総精子数が基準下限値以下の場合は乏精子症や射精液中に精子を認めないものを無精子症と表現されたりします。
精液検査は誤差が多い検査であるため、複数回検査を行うことでより正確な値を出すことができるので、一回だけしか検査をしたことがない方はぜひ二回目の検査もしてみてください
実際の精液検査は、
①精液量は、比重を1として1.0gを1.0mLとして計算しているので、重さを測って精液量を出します。
②③精子濃度と総運動率は、マクラーチャンバーというマス目のついたものを用いて精子を数えて、1.0mLあたりの精子数を出します。総運動率は、同じように運動している精子を数えて、精子数から割合を出しています。
④正常形態率は、精液をスライドガラスに塗抹して、固定、染色して倒立顕微鏡強拡下にて正常な形態の精子をかぞえて割合を出します。クルーガー検査と言われるものです。
これらの精液検査を行う方にはいくつかの注意点もあります
1つ目は禁欲期間についてです
禁欲期間は、2日以上7日以内とされています。
一度出してからためる意味としては、
ずっと体内にある精子は活性酸素にさらされて劣化していくため、それを一度出してからよりよい精子を得るためです
2つ目は、取りこぼしについてです
射精時の出始めには運動率の良い精子が集まっているので、特に最初の精液は取りこぼしはしないようにお願いしています
3つ目は、持ち運びについてです
精子は温度変化と光に弱いです
そのため精液をお持ちいただく際には、アルミホイルで遮光していただきながら冷えないように服の中などで温めながらお持ちください
服の中などで温めておくのは体温により近いからで、カイロなどで温めてしまうと熱すぎて逆に精子の状態が悪くなってしまうので気を付けてください
今回は精液検査について簡単にまとめてみました
次回は、精子調整法についてお話しできればと思います