お薬の「クロミッド」についてお話します。
クロミッドは排卵誘発剤で排卵障害の治療に有効といわれています。
当院でも多くの患者さんが使っていらっしゃいます。
どのような仕組みなのかご存じですか?簡単にクロミッドの仕組みをお話します。
クロミッドのエストロゲン拮抗作用を利用します。
まずエストロゲンとは卵胞を育てて排卵させるための卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)をコントロールしています。
クロミッドがもつエストロゲン拮抗作用により、脳は卵胞がまだ育っていないと認識しFSHの分泌を増やします。FSHが増えるので卵胞が育ってくるという仕組みです。
直接ではなく間接的に卵巣を刺激する飲み薬のため、作用が比較的弱く副作用もほとんどありません。
ほとんどありませんが、嘔気、頭痛、めまい、物がかすんで見える視覚障害などが副作用としてあげられます。抗エストロゲン作用により子宮内膜が厚くなりにくかったり頸管粘液が減少することがあります。
ただ、飲み薬のため簡単に投与でき、安価であること、注射薬に比べて身体への負担がマイルドなのでよく使われるお薬です。
あと患者さんが心配されているのは多胎妊娠だと思います。そのことについてはよく相談を受けます。
一般に自然妊娠での多胎妊娠の確率は1%なのに対しクロミッド誘発では4~5%といわれています。
副作用だったり多胎妊娠のリスクはありますがお薬の効果を理解して治療に進んでもらえればと思います