声
声が小さい!声を出せ!野球の現場でよく耳にする言葉だ。僕も小・中・高と言われ続けてきた。練習中、大声を出し続けることの意義に、少なからず疑問を感じていた学生時代を経て、今思うところをまとめてみる。まず、“声”は【自分に対する声】と【チームメイトに対する声】に分けられる。【自分に対する声】は集中力を高める声だ。調子が悪い時や気分が乗らない時は自分を奮い立たせ、緊張しすぎてアガっている時やビビっている時はリラックスさせる効果がある。例:「さぁ、いくぞ!」「さぁ、こい!」【チームメイトに対する声】には4種類ある。1)指示伝達の声 ●捕手からのアウトカウント確認や守備態勢の指示 ●二塁手と遊撃手が行なうセカンドベースカバーの確認 ●外野手同士で行なう守備位置の確認 など これらはプレー前に必要な声。 ●捕る選手の指名 ●投げる塁の指示 ●カットオフマンへの指示 など これらはプレー中に必要な声。 このほかランナーコーチからはプレー前・中・後を問わず頻繁に指示が出る。 なぜならそれが彼の仕事だからだ。 ランナーコーチは野球を知っている者にしか務まらない。2)意思伝達の声 ●自分が捕る時の声 例:「オーライ!」「まかせろ!」「どけ!」 ●自分が捕らない時の声 例:「まかせた!」「サード!」3)タイミングを合わせる声 文字通り息を合わせる声だ。 例:「こい!」「トス!」4)叱咤激励の声 これはベンチの専売特許。 ある意味何も考えずに出せる声だから無駄に使わないこと。 必要なところでひと声かけてやればいい。 例:「ナイスボール!」「がんばれ!」「丁寧に!」以上、野球の“声”について整理してみたが、どれも重要だ。声が出ない=コミュニケーション能力のない人間=使えない奴というのは実社会でも同じだが、広い野球のフィールドではさらに大きな声が要求される。いざという時に大きく遠くまで届く声が出なくては話にならない。そこで最初の話にもどるが、練習中、大声を出し続けることの意義はここにある。いつでも大きな声が出るようにするための訓練なのだ。僕も高校入学当初は声出しが仕事のようなもので辛かったが、今思えばフィールドでの声のボリュームはこの時期に作られた。1年生が声出しをするのは当然なんだね。ただ問題なのは、意味もわからず“大声を出せば良い”と教わった選手が、試合中も意味のない声を出し続けていることがある。これは非常にナンセンス。必要な指示が通らないしね。言葉にすべきことはたくさんあるのだから、意味のある声かけを心がけたい。