選手権予選のベンチにて
夏の選手権予選は本番中の本番。しかも日曜日とあって、スタンドの応援は賑やかだ。初回、相手校のブラスバンドの演奏にドキッとした。それが早稲田の大進撃(正確には大進撃に似た曲)だったからだ。高校野球の応援には広く使われている曲だが、やはりベンチで聞くと25年前の緊張感がよみがえる。初めて“胃が痛くなる”ことを知った高3の夏。「勝ちたい!」という気持ちが強いほど負けることが怖くなる。そのことが痛いほどわかるから、試合前、選手には「怖くなったら笑え!」と言っておいた。笑うことで気持ちが前向きになって「チャレンジしよう!」という意欲が湧いてくる。これが奏功したのか、練習試合で出ていたようなタイムリーエラーはなく、三塁打を阻止する見事な中継プレーも見せてくれた。やはり、心が身体を動かすのだ。