5月20日、夏の甲子園大会と地方大会の中止が発表された。
賛否両論あるとは思うが、主催者が決めたことなので仕方がない。
また、指導者の立場からすれば、選手たち、特に3年生に対して「かわいそう、かわいそう」だけでは本人たちのためにならないと考える。
もちろん代替案はあったほうがいいが、それはあくまで3年生を含めた現チームに区切りをつけるためのもので、本物には代えられない。
現実は受け入れるしかないのだ。
少し時間がかかってもいいから。
野球には奇跡の勝利もあれば悪夢のような敗戦もある。
イレギュラーや誤審といった不条理もある。
自分がコントロールできないことにどう向き合うか。
ゲームでのメンタルタフネスも人生でのそれも一緒。
「人生に無駄なことなどない」と前向きに生きていくか、「あの出来事さえなければ・・・」と後ろ向きに生きていくか、決めるのは自分。
「あのとき負けたから/あのとき試験に落ちたから/あのとき事故に遭ったから、今の自分がある」なんて話はいくらでもある。
さらに言うと、今回のことでより一層野球への想いが強くなった者もいれば、野球だけが人生じゃないと気づいた者もいるかもしれない。
野球が一番だと思えばプロを目指せばいいし、もっと面白いものがあるならその道で上を目指せばいい。
また、社会のルールがおかしいと感じるならそれを作る側、つまり政治家や官僚を目指せばいいし、怪我や病気で苦しむ人を目の当たりにして医療を志すのもいいだろう。
このコロナ禍で「世の中、何が起きても不思議ではない」ということを改めて痛感させられたが、それは裏を返せば、人間の可能性も無限に広がっているということなのだ。
だから、若者たちには前を向いていてほしい。
それが僕の願いだ。
今年の3年生は全員「最後の大会が中止にならなかったら絶対甲子園に行っていたんだ」と言う資格があるし、笑顔でそう言える大人になってほしい。