今回はプールDに属し、WBC予選を見事に突破し、本選初出場。WBCニカラグア代表について紹介します。
チームロースター
先発陣は予選でチームを支えた投手たちが揃う。
メジャー通算142試合に登板した実績を持つ右腕、J.C.ラミレス、第2代表決定・ブラジル戦で6回1失点、5奪三振と好投した右腕、オスマン・グティエレス。スペイン国内リーグで9勝、防御率1.52を記録した右腕、ロナルド・メドラーノ、昨年1A+で26試合、防御率3.01を記録した21歳右腕、カルロス・ロドリゲスの起用が有力だ。
リリーフ陣にはMLBで活躍する2人が軸となりそうだ。
昨年50試合に登板し、160キロに迫る2シームとカーブ、チェンジアップを操るパワー型右腕、ジョナタン・ロアイシアガ。MLB通算276試合に登板し、昨年60試合防御率2.92を記録した右腕、エラスモ・ラミレス。この2人が中継ぎ陣にとっては大きな軸となる投手だ。
その他にも予選で好投したロニエル・ラウデス、ケビン・ガデア、ホアキン・アクーニャも代表入りし、中継ぎの一角を担うと見られる。
打線も予選で活躍した選手たちが揃う。
メジャー通算323試合、27本塁打を放った実績を持ち、今代表の主軸を担うチェスラー・カスバートや球団内プロスペクト上位30位入りした経験も持つミルカー・ペレス、一昨年までメジャーでのプレー経験を持つアレックス・ブランディーノ、昨年3Aに昇格した遊撃手、ブランドン・レイトンなどMLBやマイナーで実績を残す選手たちが軸となりそうだ。
ニカラグアは第1回WBCの際にキューバが出場できなければ、代わりに出場する国の候補として名前が挙がっていた国だった。実際野球は盛んな国であり、1996年アトランタ五輪では4位入賞。過去にはMLB通算245勝、完全試合達成者のデニス・マルティネスやMLBで盗塁王を獲得したエバース・カブレラなどメジャーリーガーも多数輩出している国だ。
国内での野球人気はすさまじく、春から秋開催の前期・後期制の国内リーグ、冬に開催されるウインターリーグと丸1年通してリーグが開催され、新型コロナで大多数のスポーツリーグが延期や無観客開催の中で客を入れて、リーグ戦が開催されているほど。
しかしこれまではプロが集まる大会では思うように振るわず、WBCも3度目の正直にして初の本選進出を果たした。
プールDはドミニカ共和国、プエルトリコ、ベネズエラ、イスラエルとWBCで実績を残す国と同グループとなり、戦いとしては非常に厳しい場面を強いられる事になるだろう。
注目選手
ジョナタン・ロアイシアガ 投手 ニューヨーク・ヤンキース
ニューヨーク・ヤンキースのセットアッパーとして2年連続でシーズン50試合に登板したジョナタン・ロアイシアガが母国の初のWBCでも躍動する。
現在のキャリアを掴むまでには、紆余曲折があった。2012年9月にサンフランシスコ・ジャイアンツと契約して、プロ入りするも2014年、2015年を怪我で全休すると、シーズン途中に自由契約となり、2016年にニューヨーク・ヤンキースと契約を結んだ。
その後も怪我で苦しんだが、2018年6月にメジャー契約を結び、メジャーデビューを飾った。3シーズン先発としてプレーしていたが、2021年から本格的に中継ぎへ転向。
すると持ち前の剛腕が覚醒し、21年は57試合9勝4敗5セーブ、防御率2.17を記録し、昨年は50試合2勝3敗2セーブ、防御率4.13と2年続けて50試合に登板するなどヤンキースのリリーフ陣にとって欠かせない存在へと成長した。
最速162キロのツーシームと高速で変化するチェンジアップとカーブは短いイニングではなかなか対処しづらい。
強豪ひしめくプールDで大番狂わせを起こせるか注目だ。
エラスモ・ラミレス 投手 ワシントン・ナショナルズ
メジャー通算276試合、昨シーズンは6年ぶりとなるシーズン60試合に登板するなど、ワシントン・ナショナルズの中継ぎ陣を支えたエラスモ・ラミレスがWBCでも飛躍を狙う。
2007年9月にシアトル・マリナーズと契約を結んで、プロ入り。2012年にメジャーデビューを果たすと、2015年にはタンパベイ・レイズへ移籍し、先発として11勝、防御率3.75、規定投球回到達とブレイクを果たした。その後も様々な球団を渡り歩き、先発や中継ぎ、役割問わずに登板をつづけた。
そして昨シーズン、3月にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結ぶと4月にメジャーへ昇格。再建途上のチームの中で中継ぎの一角としてフル回転すると、60試合4勝2敗、防御率2.92と中継ぎ陣を支え、地元メディアから「ピッチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出された。
ツーシーム、カットボールを軸に昨年はゴロ率も向上するなど、投手としてまた飛躍を遂げるかもしれない。
リリーフの一角として、母国の勝利を狙う。
予想オーダー