本日、紹介するのは
■あらすじ
1950年代、大人しく目立たない性格の少女エイリシュは、妹の将来を案じた姉の勧めで、アイルランドの小さな町からニューヨークへとやってくる。それまでとはあまりに異なる大都会での生活に戸惑うエイリシュは、しかし、イタリア系移民の青年トミーとの恋をきっかけに大きく変わっていく。
■主演はシアーシャ・ローナンさん
映画「つぐない」で、若干13歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネート
映画「つぐない」ブライオニー(13歳時代)役
大好きなウェス・アンダーソン監督の傑作「グランド・ブタペスト・ホテル」に出演していた時には気づかず、可愛い女優さんが誰なのか検索して「お、大人になってる!」(当たり前)と当時、驚きました。
映画「グランド・ブタペスト・ホテル」アガサ役
その後も、順調にキャリアを積み映画「ブルックリン」では、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。
(ゴールデングローブ賞他、多数の主演女優賞を受賞)
さらに、2017年公開の映画「Lady Bird」で、再びアカデミー主演女優賞にノミネート(圧倒的な大本命がいたので、逃しましたが)。
インディペンデント(独立系)映画の出演が多く、大規模なプロモーションをかけるような大作への出演は、未だありませんが 世界的な評価は充分過ぎるほど受けている演技派の女優さんです。
セリフをしゃべらない時の、目や表情の演技が素晴らしいので、そんなシーンに注目してみてください。
映画「ブルックリン」では、ラストの船上と作品前半の船上のシーンを比較して観ると凄さがわかります。
■観るタイミングが大切な映画
不安を抱えてアイルランド(故郷)からアメリカ(新天地)へ移住し、故郷と新天地で揺れる若者のお話です。
10代~20代前半で観ても、短絡的な感想しか持てないと思います。
25歳~40代で観ると、登場人物それぞれの気持ちが理解できて、深く深く感動します。
主人公の気持ち、アメリカの恋人の気持ち、お姉さんの気持ち、母親の気持ち、アイルランドの友人たちの気持ち・・・それぞれの気持ちや事情に寄り添いながら観る映画だと思うので、群像劇とも言えるかもしれません。
最後の主人公の決断は、セリフ通りの短絡的なものではないことは、その後からラストシーンまで(セリフのない演技)で伝わってきます。(シアーシャ・ローナンの演技の素晴らしさ)
どこに行っても、人の悪意も善意も存在します。
やりたいようにやれる人、色んな事情でやれない人。
自分の思い通りにならないのは、その場所や人のせいではなく、全ては自分の行動と決断で決まっていくのだなぁと感じます。
■監督は「あの映画」のジョン・クローリー監督
5年前のセントパトリックスデーシーズンに紹介した
ダブリン上等!(すごい邦題)の監督です。
2018年の話題作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(ソフィア・コッポラ監督)に出演しているコリン・ファレルが「演技ではなく素で演じている」作品です。クリント・イーストウッドが演じた役を、コリン・ファレルがどんな感じでやっているのか、今から公開が楽しみでなりません。
■素晴らしい脚本(原作)と音楽
とにかく、セリフが気が効いた言い回しばかりです。素敵な言い回しが沢山出てきます。
前ふりも上手くできていて、後半に全て回収されます(おぉ!なるほど!と繋がります)。
アカデミー脚色賞にノミネートされたのも納得です。
サンダンス映画祭でプレミア上映、ゴールデングローブ賞他多数受賞
映画批評サイト「Rotten Tomatoes」の満足度97%、平均点10点中8.5点
とても静かな作品なのですが、気がつかない程度にその場面で最適なBGMが必要最低限だけ入ります。素晴らしいバランス。
1950年代の移民の人たちファッション、デパートのシーン、道行く車、アイルランド人のダンスパーティー、イタリア人の生活・・・etc
見どころが、本当に多く、画面の隅々まで丁寧に作り込まれています。
機会があれば、男女問わず、是非とも観ていただきたい佳作。
アイルランド訛りやイタリア訛りの英語を聞きとれると、もっと面白いのだろうなぁ
余談ですが、「簿記」が「ボキ」にしか聞こえなくて調べたら「bookkeeping (ボッキ―ピン)」で、簿記の語源だという説もあるとか。
■YOUTUBE
■2015年 アイルランド/イギリス/カナダ
■原作
コルム・トビーン
■監督
ジョン・クローリー
■脚本
ニック・ホーンビー
■音楽
マイケル・ブルック
■撮影
イヴ・ベランジェ
■出演
シアーシャ・ローナン/エモリー・コーエン/ドーナル・グリーソン/ジム・ブロードベント/ジュリー・ウォルターズ
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