朝は9時45分に出勤。着替えて点呼ルームへ。

免許証を機械に通すと、アルコールチェッカーに自分のコード番号が出る。


このアルコールチェックが、酒飲みにはなかなかの関門。

A~Eまであって、DとEは即お帰り。始末書。
2回目は出勤停止10日間。
3回目でクビ。


専用のストローで吹くと

ピピッ ピピッ ピピッ・・・・・・。


緊張の一瞬。


少し間があって伝票が出てくるとセーフ。


アウトの時は、その間がいつもより長い。


ピーピーピー。


リアルゴールドとかの飲み物を飲んですぐ測るとBで鳴ることがある。

私は抹茶ラテで、Bになった。でも微量だったので、うがいして測りなおしてセーフ。


点呼ルームで管理者のいつも同じような注意を聞く。


日報、点検簿、乗務員証をもらって、いざ出発。
はっきり言って未来のない仕事である。

出世する訳でもないし、昇給もない。

その日、その月の給料を稼ぐだけ。

経験を積んでも、道や建物を覚えたり、お客様のいる場所や時間帯がわかったり。


別に私にとっては、つらい仕事ではない。眠いのを我慢するだけ。

人によっては売上のプレッシャーや、接客などで、精神的にダメになる運転手もいるらしいが、性格的にノー天気なので割り切ってやっている。

売上は運が8割、出来る時は出来るけどできない時は諦める。

お客様は神様なので、料金さえ払って頂ければ、どんなわがままも受け入れましょう。




でも、せっかく20時間以上働くのだから、仕事中は楽しむようにしている。

気の合う仲間とメールや電話で情報交換したり。

お客様とお話しするのも楽しんでしている。

いろんなお客様をお乗せする。例えば芸能人や有名人。

運転手には守秘義務があるので、あまりいえないが、先日お乗せした歌舞伎のN村K三郎さんは、かっこよかった。

乗車する前からオーラ出しまくり、服装や振る舞いは洗練されて、男の自分から見てもいい男だなぁとおもった。

芸能人の話題はおいおいするとして、どんなお客様とも一期一会。

出会いを楽しむ事にしている。
自分の仕事はタクシー運転手。
営業エリアは都内特別区及び武三地区。
特別区とは23区内のことで、武三地区とは武蔵野市の武、三鷹市の三のことである。
こんな事を知っているのは、タクシー運転手か関係者のみで、一般の人が知ってても、なんの役にもたたない。

給料は完全歩合制。
基本的に売上のだいたい60%程度が運転手の取り分。

例えば月に50万の売上があれば、30万が給料。
そこから、社会保険料や税金、組合費、手数料がなんだかんだ理由をつけてボソボソ引かれて振り込まれる。


朝8時に出庫して、翌日の朝4時まで(B勤務)が通常の勤務時間で、それを月に11~13回乗務する。

自分は遠距離通勤で、朝寝坊なので10時頃出庫の6時頃帰庫(E勤務の変則)。

20時間くらい乗務すると明け番で一日お休み。

寝ようがパチンコ行こうが、バイトしようが自由。

この明け番がタクシーの魅力で、自分の場合はバイトに行くか、飲んだくれるか。

景気のいい時は、70万以上の売上がありタクシーの給料だけで生活出来たが、リーマンショック以来、売上がた落ちで、都内のタクシー運転手の平均手取り給料は16万しかないらしい。

私はそれよりは多いが、タクシーだけで生活していくのは厳しいのでバイトいている。

タクシーの仕事自体は、簡単でお客様を乗せて目的地まで安全にお送りするだけ。

道順はほとんどお客様が教えてくれるし、最近はナビが付いているので難しくない。

一年もやれば一人前になるし、私は延べ7年目になるのでベテランの部類に入る。

ベテランと言っても、都内何でも知っている訳ではない。私の場合、主に城南地区。日中は羽田空港で夜は銀座、赤坂、六本木。

皇居より北へ行くとサッパリ道がわからないのが実情。

そんな時は、「まだ新人で・・・」


嘘も方便。



みんな親切に教えてくれます。



時には「慣れなくて大変だけど、頑張ってね」なんて、チップまでくれたり。



そんな時は、嘘ついたことにちょっと罪悪感。

でも、ありがたくいただきます。