脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -9ページ目

お店を開店してから11年間。

幸いなことに当店では開店以来、警察にお世話になるような大きなトラブルに巻き込まれたことがありません。

場所柄もあるとは思いますが、これまでの接客、誘引方法などが間違いではなかったと思わされます。

 

トラブルはないに越したことはないのですが、必要なトラブルもあります。

例えば、お店の雰囲気を壊すお客様がお見えになったとします。

そのお客様が僕に絡む分には、のれんに腕押し的に受け流して穏便に済ませるようにします。

しかし、そのお客様が別のお客様に不快感を与える状況になったら、例えケンカになろうとも、迷わず退店を言い渡すなど毅然とした対応をするでしょう。

お客様を守るために必要なケンカだといえます。

 

もちろん、必要なケンカといえど、ないに越したことはありません。

そのためには、雰囲気を壊すお客様にはお店側がマンツーマンで接客し、極力他のお客様に接触させないようにしながら、そのお客様が不快になるような接客をするようにしています。

ただし、不快が過ぎると即ケンカになりますので、“適度な不快感”というさじ加減が大切です。

小規模個人店でお客様との距離が近ければ近いほど、お客様ごとに接客内容を変えなければなりません。

例えば、話しかけてほしいお客様もいれば放っておいてほしいお客様もいるはずです。

 

当店ではお客様の来店時におしぼりをお渡ししますが、おしぼりの受け取り方によってなんとなく「このお客様は話しかけてほしくないんだな」とか判断できます。

つまりおしぼりの受け取り方のようなわずかな仕草からでもお客様の意志を感じることができるわけです。

 

接客とはお客様が望む対応を柔軟にすることだと思っています。

お客様の態度に気を配り、観察する習慣を身につけることが大事だと考えます。

飲食店にもいくつかの「あるある」ネタがあります。

その中のひとつが「頻繁に来過ぎるお客さんは来なくなる」というものです。

当店でも何度かそういう経験があります。

 

その理由を考えていくと、お客様とお店とのあるべき関係が見えてきます。

週に4回も5回もご来店頂くという事は、当然その時点は当店を気に入って頂いていることになります。

しかし、それだけ頻繁に顔を合わせていると、話すネタもなくなってきて、お客様にとってマンネリ感を覚えることになります。

また、お客様とお店の関係も急速に近づくことから、緊張感も少なくなり、お互いの対応が雑になってきます。

ある意味、その期間は家族よりも密接に接しているわけですから、それも致し方ないことかもしれません。

 

しかし、来店頻度を決めるのはお客様なので、お店側はそういった起こりうる状況を想定してお客様に対応するよう努めなければなりません。

着かず、離れず、お互いの新鮮さを保つような関係を構築することもとても大事です。

せっかく、お店の常連さんになってもらって、信頼関係を築くことができたお客様でも、不可抗力で来ていただけなくなる、来店頻度が減ることがあります。

 

それは引越、結婚、退職などのお客様の環境の変化が要因になります。

もちろん、お客様の環境の変化はお客様のせいでもなく、お店側としても何ともできない問題です。

 

せっかく、良い関係を築けていたお客様を失うことは残念なことですが、それを嘆くのではなく、常にありうることとして、それを覚悟しておくことが必要です。

広告を実施しないという方針の一方で、新規のお客様の誘引に大きな効果を感じている方法があります。

それは既存のお客様による「同伴」です。

 

新たなお客様を連れて来てくれる既存お客様は、連れてくるお客さんが当店を気に入るのではないかという想いでお誘いいただきます。

それは別の面から考えると「当店に合いそうなお客様を選んでいただいている」ということでもあります。

また、例え同伴ではなくお店の情報を話していただいただけでも、聞いたお客様は、話していただいたお客様とすでに信頼関係がありますから、その話は口コミサイトより、情報信頼性が格段に高くご来店の確率は高くなるはずです。

 

既存のお客様はお店の勧誘者でもあり広告塔である、お店にとってはこの上ないありがたい存在なのです。