脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -10ページ目

当店では広告宣伝活動というものをほとんどやっていません。

やっているものといえば、地図やメニューなどお店の情報を告知しているHPと、お店とは関係ない日常の出来事を綴っているブログぐらいです。

さらには、たまに頂く雑誌などの記事取材もありがたいなとは思いながら、ほとんどお断りしています。

もちろんそれには理由があります。

 

広告、ましてや記事掲載されれば、新規のお客様の誘引には大きな効果があると思います。

しかし、それは以前述べたお店の何等かの要素に共鳴されてご来店頂く自然な来店経緯とは異なり、作為的な誘引手段が施されたある意味誘導された来店経緯となります。

そうしてご来店頂いたお客様は、当店と個性の似通ったお客様である確率は下がるはずです。

とすれば、お店にとっては短期的には新規顧客獲得という効果があっても、既に常連客となって頂いているお客様達にとってはお店の雰囲気を変える要因になるかもしれません。

しかも、ぼくは広告など、誘導された手段で来店頂いたお客様の定着率は低いと思っています。

 

懸念としてはこうです。

広告を実施すれば、短期的な来店誘引にはなるかもしれませんが、そのお客様達は定着しにくく、既存のお客様が離れる危険性もあり、中長期的には有効とは言えないのではないか。

 

もちろん、お客様の回転率を重視し、常連客よりも新規客の獲得を優先する居酒屋さんのような業態であれば、広告活動は重視されるべきでしょう。

当店では、アルバイトを含めて人を雇っていません。

しかし、もし人を雇う場合には一般的な求人ではなく、人脈を使った求人をしてみようと思っています。

その手本は僕が学生時代にアルバイトをしていたBARでした。

 

そのBARはアルバイトを、すでに働いているアルバイトの紹介で無条件で採用していました。

オーナーの面接などありません。

要はアルバイトが「一緒に働きたい」とか「こいつはこういう仕事に向いてる」という目を重視してくれていたという事です。

 

友人の紹介で入ったアルバイトは、お店との関係もさることながら、紹介してくれた友人、さらには他の学生バイトとの関係がありますから、無責任なこともできませんし、シフトの調整などもスムーズに運びます。

その採用システムが有効していた証拠に、僕自身も4年間同じBARでアルバイトを続けましたし、他のバイトたちもほとんど全員途中で職を変えることなく、続けていました。

 

お客様だけでなく、従業員、アルバイトとも強い関係を築くことはとても大切で必要なことだと考えます。

言うまでもなく、人件費は飲食店にとって大きな負担になります。

 

しかし、お客様と密にコミュニケーションをとる形態の小規模飲食店では、アルバイトは人件費分以上のの売り上げ増を期待できる存在ではないかと思います。

というのも、アルバイトの人脈でお客様の増加が期待できるからです。

つまり、アルバイトは仕事を手伝ってくれるだけでなく、お客様を連れて来てくれる役割を果たしてくれると思います。

 

さらには人脈だけでなく、アルバイトの魅力がお客様の来店動機にもなるはずです。

以前も書きましたが、かわいい女性アルバイトが入れば、男性客が増えるし、イケメンの男性アルバイトが入れば女性客が増えるはずです。

だから、僕は人件費はある意味先行投資だと思っています。

当店は妻と二人で営業を始め、2年目に子供ができて、それ以来僕一人で営業しています。

妻が引退して一人での営業を始めて約1年間は売上的にも厳しい時期でした。

 

低迷の原因を僕は、僕一人でやっているお店として定着するまでに1年間かかったものとみています。

つまり、開店2年目までの夫婦でやっていた当店と、その後一人でやっている当店は全く別物としてお客様にとらえられたということです。

一人でやり始めたお店は店名、内装、商品ラインナップなどはほとんど変わっていないにもかかわらず、人の構成で全く別のお店になったのです。

例えば、女性が従業員でいたり、夫婦でやっていることで与えられる安心感が薄まったはずですし、接客も僕一人なので、手薄になったり面白みが半減したりしたはずです。

 

ドリンク、フードのクオリティ、提供時間などは一人になってからもそん色なく対応できているつもりですので、個人店ではそれほど店側の人員が与える影響は大きいという事だと認識しています。

小規模個人店では、お客様は単なるお金を払ってくれる収入源というだけでなく、お店の一部をかたちづくる重要なパーツであると述べました。

従って、お客様と相思相愛の関係を構築し、お客様にお店への愛着を持って頂く事はとても大事なことです。

 

そのためには、お店が単なる飲み物、食べ物を提供する場でなく、それ以上の存在とならなければなりません。

例えば、営業を離れてお客様たちとBBQをしたり、ゴルフに出かけたり、プライベートで遊ぶという事も一つの手段でしょう。

また、誕生日や結婚などお客様のイベントにお祝いをしたり。

さらには、お祭りなどで露店を出す時などに、お客様に露店を手伝ってもらうこともいい方法かもしれません。

 

しかし、それらは決してお客様をシンパ化させるための手段でという意識であってはなりません。

店主が一緒にBBQしたかったり、お祝いをしたかったり、手伝ってほしかったり、営業を離れて心からそう思えなければ、単なる営業活動の一環となり下がり、意味がありません。

 

つまり、お店とお客様というより、仲間として信頼関係を築くことが根本にあるのです。